〇side
ゆうくんはいいな〜
いつも色んなのを買ってもらって遊んでもらって
〇「ママこれ欲しい」
□「今お金ない」
〇「わかった……」
僕のときは買ってくれないけど……
♡「ママあれ買って」
□「いいよ!」
▽「シゲにも買ってあげなよ」
□「じゃあたかが払ってよ?」
▽「仕方ないな〜」
▽「シゲ、さっき欲しがってたの持ってきな」
いつもそうママは俺には買ってくれない
でも仕方ないのかもしれない
だって俺はゆうくんとママとは血が繋がっていないから
パパが離婚したときにシングルマザーだったママと出会って、お互い子持ちということですぐ再婚した
だからママは自分の子供つまりゆうくんにだけ優しくて、僕には厳しい
パパが嬉しそうだから我慢している
▽「ん?シゲどうした?持ってきなよ」
〇「いらない」
▽「ほんとにいいの?」
〇「うん……」
▽「そうか、偉いな〜」
ママは金持ちだけど、パパはあまりお金を持っていない
だから僕のわがままでお金を使っちゃいけない
いつもパパが払おうとするから、僕が欲しいものがあっても我慢する
□「あっ、あの服ゆうやに似合いそう」
▽「確かに、色違いもあるしシゲとお揃いってのもいいな」
□「シゲくんのはタカが払ってよ?」
▽「わかってるよ」
〇「僕いらない」
♡「えーなんでー一緒にオソロ!」
〇「だってその服高いもん」
♡「お金ならママがいっぱい持ってるよ?」
〇「いらない!」
僕は走ってその場から逃げた
うしろからゆうくんも追いかけてきて
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。