No side
夕方の暗闇に歩く影が4つ
それは宛もなく歩いていた
健人「なくね?」
勝利「聡、ほんとにこっち?」
聡「うん、逃げてくる時ここ通ったもん」
そういう聡とは打って変わって
目的の場所は出てこない
健人「やっぱお前が見たの嘘なんじゃない?」
聡「嘘じゃないです!ほんとにあなたが閉じ込められて!」
健人「じゃあその校舎は?ここの学校に別館なんてない」
聡は目を丸くした
聡「じゃあ俺が見たのは・・・」
マリ「僕も見たの。古い校舎」
勝利「でも俺そんなの見たことないよ」
4人の主張が食い違う
先程からイライラしている健人が
健人「じゃあ見つけたら連絡してくれねぇ?」
とキレた
健人「勝利いくぞ」
勝利「・・・はい」
勝利は2人に申し訳なさそうな目を向け
帰って行った
マリ「そちゃ、どうしよ」
聡「マリも帰りな?もう夜遅くなっちゃう」
マリ「わかった。無理しないでね?」
聡「ありがとう」
彼がこうするのは
彼の中の罪悪感があなたを助けろと
叫ぶからであった
聡「あなた・・・」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。