第11話

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2019/03/16 18:00
あの日以来

私は毎日風磨の傷の手当をした

相変わらず風磨は痛い痛いと私に怒ったけど

最後の方はわざと痛いと言って私を困らせた


風磨「いてぇ」


「嘘つき」


風磨「嘘じゃねーよ!まじで痛い」


「ここ?」


風磨「おい!ばかっ!」


今回は本当だった


「ごめんね?」


風磨「俺のためだろ?怒ってねぇよ」


ポンポンと2回

私の頭を優しく撫でた

その時の風磨の顔は

びっくりするほど優しかった


「っ・・・ちょっと、あの、へ、部屋に戻る!」


風磨「ちょ、おい!」


なんか変だ

胸がドキドキって


「樹っ!樹!」


理科室に駆け込むと

そこに居たのは樹ではなく

北斗だった


北斗「樹じゃなくて悪かったな」


眼鏡をかけて本を読む目線をこちらに向けて

北斗が優しく笑った

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