第12話

過去
879
2020/03/28 13:04
マネージャー
それで?明日は誰に会うの?
あなた

明日は昔約束した人と会うの。

マネージャー
約束?
あなた

うん。多分あの人は忘れてると思うんだけどね😅

マネージャー
どんな約束なの?
あなた

そんなに知りたいの?笑笑

マネージャー
知りたい!!
あなた

じゃあ教えてあげる笑笑

あなた

あれは私が中学3年生の時だった。

その日は卒業式だった。
みんながお別れの言葉を交わしている中、
私は当時の彼に別れを切り出された。



"好きな人が出来た"



そして彼は去っていった
私は彼との思い出がたくさん詰まっている
この校舎から少しでも遠くに行きたくて、
友だちとの思い出を語ることも無く、
学校を後にした。


私は満開の桜の並木の道に来た。
ここも彼と通った道。
どこに行ったって彼との思い出が溢れてくる。

思い出がない場所なんてこの街にない。
それぐらい彼とすごした日々は私にとって大切な時間だった
彼が好きになった人は学校1の美人と呼ばれている、女の子だった。
あなた

敵うわけないじゃん

私は1人静かに涙が枯れるまで泣いた
たくさんの人が哀れみの目で見ているのを知っていても涙が止まらなかった。


そんな私の気持ちとは裏腹に桜は私にこの世界の輝きを見せつけるかのように綺麗に咲きほこっていた。
何時間泣いていたか分からない。
もう夕日が沈もうとしているとき、
誰かに声をかけられた。
みんな無視して私がいないかのような
素振りをしていた中、
彼だけは私を見つけて、話しかけてくれたんだ。
???
ここの桜、綺麗だよね
すごく優しい声だった。


顔をあげてみると、柔らかい笑顔をした
男の人がたっていた。
???
ここよく来るの?
あなた

はい…

???
そうなんだ!!
???
俺もここの桜好きなんだよね
あなた

そうなんですか…

なんで私なんかに話しかけるんだろう?
???
今日は桜を見に来たの?
あなた

いえ…

???
じゃあどうして?
あなた

学校の帰り道です…

???
そうなんだ。今日は卒業式?
あなた

はい…

???
だから泣いているの?
せっかく可愛い顔してるのに台無しだよ?
そう言ってその人は私の涙を拭ってくれた
あなた

彼氏と別れたんです…

そういうと涙がまた出てきてしまった
???
そうなんだ…
???
辛かったよね…
言ってくれてありがとう!
あなた

いえ…

それからその人はたくさん私に話をしてくれた。
面白い話や、私が知らなかった話、びっくりするような話など、どれも新鮮で涙なんていつの間にかなくなっていた。


そして、日が沈んでしまった頃
???
そろそろ帰る?
あなた

あっもうこんな時間!!

あなた

今日はありがとうございました!!

???
いえいえ笑笑
???
明日もここにいるからなにかあったらおいで😊
あなた

はい!!

そして、次の日も、その次の日も、その人とたくさんの話をした。

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