無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第6話

6.これから
「あ、なんでも、ない、です」

彼女と目が合うと、さっきとは打って変わって慌てた様子だった

初めて話しかけられた時の僕みたいで、こういう所もあるんだと安心した

自分から初対面を相手に初めましての挨拶を自然と言うことができたり
僕の視線に気づいた時の冷静な対応を見ていて
そういうことに恥ずかしさとか気まずさとか抵抗がなくて、とても大人に感じていたのだ





怜「うん」
僕も何も問いかけたり、何も聞き出したりせず、口角が上がったままの顔で本棚に視線を戻した





タイトルに惹かれて、ある本に手を伸ばす



自分がこういうものに興味があったんだという新たな発見があって面白い

直感で手に取ったものは間違いないだろうと思い、これを読むことにした




彼女がどんな本を読んでいるのか読んできたのか、少し、知りたいなんて思ったりもした



でも、コミュニケーション能力低下中の僕が、わざわざ自ら話しかけるほどの興味ではなかったのでその思いは即座に取り消された






ちらっと彼女の気配が感じる方に目をやると入り口から遠く離れた席に座って本を読んでいた






でも、気になるという気持ちは事実で、だから、高鳴る胸を抑えながら1歩1歩彼女の方へと近づいていくことにした










でも、結局、勇気のない僕は彼女から見て斜め前のテーブルに座ることとなった

こういう時、積極性のある人や自身のある人に憧れたりする


でも、これからゆっくりと近づいていければいいやなんて勝手に思っている自分がひょっこりと現れて、僕は急に恥ずかしくなった










あっという間に時間は過ぎ、図書室は閉館の時間になっていた

ギリギリのタイミングで図書室の先生が来たので
持っていた本を借りて、帰る準備をする

僕よりも先に準備が終わっているはずの彼女は何か様子を伺っているようだった


僕ももういつでも帰れる準備が出来たのだけれど、
とりあえず、待っていたほうがいい気がした

そうは思ったものの、何もすることがなくなってどうしようもなく、扉に手をかけたときだった





彼女がこっちに向かってきた










僕が扉を開けると、すぐ後ろにいた彼女が閉めてくれた










そして、深呼吸した僕は今度は自分の番だと言う気持ちで言ってみることにした

「またね」
「またね」







僕の弱々しい声に綺麗な声が重なった









驚きが、いずれおかしさに変わって今度は声を出して笑いあった

笑い合うことができた

そのまま、校門まで一緒に歩いていて、反対方向の僕たちは手を振って別れた

何も言葉を交わさなかったけれど、なぜか楽しいという感情が芽生えているように思う








家に帰り、 "またね"という言葉を思い出す

それと同時に、あの彼女の笑顔が連想されてまた会えるんだという事実に深く感謝したくなった
















だから、なんの根拠もないけれど直感した

これからはいつもより少しだけ特別な日々になる、気がする


シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

ñon🌙
ñon🌙
こんにちは🌙未熟者ですがよろしくお願いします ・第20回プリコン作品 「冷えた心に温もりを」引き続き連載中 ・お題チャレンジ中の作品 「私、タピオカに興味ないので」連載中 ・第21回プリコン参加中 「次、生まれ変わるときは たった1人の存在に」 主にプリコンとお題チャレンジに沿った作品制作をすると思われます 更新速度は、あまりいいとは言えませんが、読んで頂けると嬉しいです(*>_<*)ノ
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る