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第13話

13.話し方
次の日、僕たちはドキドキした気持ちで図書室にいた

「前にもそういうことがあったの?」

僕がなんとなく小声になってそう聞くと、彼女はコクンと頷いた










パタパタパタパタ





「あ、来る」

「来ますね」










バンッ ガヤガヤガヤガヤ










恐怖の時間は僕たちが思っていたよりも早く来てしまったようだ



次々と占領されていく6人がけのテーブルは、いずれ、すべて奪われることとなった


別に誰のものと決まった訳ではないけれど、
みんなのものであるのは変わりないけれど、僕は自分の見つけた秘密基地を壊されたような気分だった










「行こ」

「え、はい?」

僕はとっさに彼女の腕を掴んで図書室から出ていた



どこに向かうのかも、なぜここから飛び出したのかも分からない

ただ、ひたすらに廊下を走り続けた










「あ、あのどこに、行く、んですか」

ずいぶんと勢いよく走ってしまったようで、彼女は少し息をきらしていた

慌てて、掴んだままの腕を離す

「ご、ごめん。痛かった?」


「痛くは、ないです
でもどうしたんですか?」


「分からない。ただ2人だけになりたくて」

自分でもなんて恥ずかしいことを言ってしまったんだと急に恥ずかしくなった

彼女の頬もほんのり赤くなっているような気がした

「え、あ、いや、なるほどです」

こうなったら、もうどう思われても仕方ない

一度、言ってしまったことは取り消せないからと少しやけくそ気味で、流れに任せて、普段言わないようなことを口にした

「敬語で話すのやめよう?」

実際、気になっていたことだし、僕だけタメ語なのもなんか嫌だった
まだ、だいぶ距離を置かれているような感じがしたから

そう言ってみたのはいいものの、すぐに後悔が押し寄せてきた

知り合ったばかりなのにこんなことを言うのは図々しいだろう。失礼になるだろう
少し仲良くなったぐらいなのに調子に乗ったと思われるかも知れない

それ以前に気持ち悪いと思われたかもしれない

僕は床とにらめっこしたまま、彼女の言葉を待った









「うん。分かった」

その返事を聞いて咄嗟に顔を上げると意外にも嬉しそうに笑顔を浮かべた彼女がいた


「え、いや、今のは間違えで、今まで通り、普通に話して、いいんだよ?」


「うん。これからは敬語を使わない話し方が、私の普通になったから」

ふんわりと笑う彼女に救われた

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ñon🌙
ñon🌙
こんにちは🌙未熟者ですがよろしくお願いします ・第20回プリコン作品 「冷えた心に温もりを」引き続き連載中 ・お題チャレンジ中の作品 「私、タピオカに興味ないので」連載中 ・第21回プリコン参加中 「次、生まれ変わるときは たった1人の存在に」 主にプリコンとお題チャレンジに沿った作品制作をすると思われます 更新速度は、あまりいいとは言えませんが、読んで頂けると嬉しいです(*>_<*)ノ
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