第16話

チベスナと妹と片割れの夜⑤
384
2022/10/13 04:56
you
you
あんまりからかわないで下さい
私は異性への耐性がそんなにないんです、とコップを片手に言ったが、隣の彼は口角を上げるだけだった。

余裕そうで腹が立つ。
宮治
宮治
ほぉ
you
you
なんですか
宮治
宮治
俺といるとどきどきする?
今更だなその質問。

初めてあったときから今この瞬間まで、胸がうるさくなかったときなど一度もなかったんですが。
you
you
はい
宮治
宮治
俺と付き合える?
つっ?
you
you
、それは出来ないかも
宮治
宮治
えっ、なんで
ここでなんで?と聞き返せる自信がすごくて困惑した。

本当に不思議そうに聞かれたから私も一瞬なんでだろう?と本気で思ってしまった。ああ、自信のあるイケメンって世界が違うな。


そんな世界が違うイケメンと私が二人で手を繋いで歩いているところを想像してみる。

うん、なんか違う。
you
you
ファンの人に恨まれるから
宮治
宮治
じゃあ周りの目を気にせーへんかったらいける?
釣り合わないから、ファンの人が怖いから、お兄ちゃんが嫌がりそうだから、何となく出てきた理由の全部が周りに影響されていることにそこで初めて気づいた。

首を縦に振る。治くんは満足そうに笑った。
宮治
宮治
おいで
え、なんのポーズ???それ。
you
you
ちょ、待ってください
宮治
宮治
なんでや
you
you
なんでって、
宮治
宮治
ほら、コップここ置いて
半ば強引に水を奪い取られ、気づいたら逞しい胸元にいた。


うちの洗剤の匂いと、少しだけ、二人で相合傘したときに嗅いだ治くんの匂いがした。

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