晴天だ。
雲ひとつないインスタ映えしそうな空。
そして何より風が良い。二学期ともなれば夏も終わりが見えてきて、たまにこうして涼しい風が吹いてくる。
私は自分のパンと、先生に呼び出され連れてかれた友のパンを中庭のベンチに並べて遊んでいた。
ご機嫌な昼休みである。
不意打ちだ。突如聞こえてきたイケメンボイスの関西弁。
そして何より顔が良い。二年生ともなれば後輩からも先輩からもキャーキャー言われて、バレンタインは半ば戦争だろう。
なんで急にバレンタインかと言うと目の前にチョココロネがあったから
ギギ…とロボットのようなぎこちないお辞儀をする。
満足そうに彼は私の隣にしゃがみ込んだ。ベンチはパン達が占領しているので座れないから、座るならそこなんだろうけど。
なんかちょっと。
いやかなり
私が大袈裟なのではない。彼が元々パーソナルスペースが狭い人なんだと思う。
女の子にそんなに顔近づけたら、みんなこの人の事好きになりそうなんだけど。
あー、なるほど
チョップされた、痛くない
いや来すぎだろ!暇なのか!あんたが毎日来るから私も毎朝掃除機かけてんだぞ!と言いたい気持ちを抑え、一つ頷く。
もうここまで来るとご自分で購入されてはいかがだろうか、ゲーム。
そんな私の思いを知ってか知らずか、気まずそうに目を逸らしながらもごもごと言う。
何その顔、ちょっとかわいい
彼は元々の体質とハードな部活に年頃の食欲も相まって、食費が大変なことになっているらしい。
食欲にお小遣いを大半つぎ込んでしまうなんて、健全で思わず笑ってしまった。かわいいひとだなぁ。
並べたパン達のうち、自分のパンを指さす。
彼は慌てて首を横に振った。でも、お腹が鳴った音を私は聞き逃さなかった。
ふわりと笑って、さり気なく私の頭に手を置いて去って行った。
もうそれだけでお返しである。はーーーずるい。
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皆さんこんにちは、那月でっす!
この作品を見ていただいてる方、本当にありがとうございます!!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。