第133話

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2021/02/25 06:00
ゴンッ!
あなた「ふぇッ!」
何をやっているのやら、前を見ずに歩いていたところ、体育館の段差に躓いて転んでしまった。
あなた「いたぁ...。」
膝からツーッと流れてくる血。手をついたから顔には怪我がないもののおでこに痛さがあった。


あなた「もー...ほんとに何やってるの私。」
痛む膝もおでこも気付かないふりして立ち上がる。
??「ちょ!何やってんの!?」

あなた「及川さん...」
立ち上がったまでは良かったものの、何故か及川さんに見つかってしまった。
あなた「ちょっと転んだだけですよ。心配しないでください。」

及「心配するに決まってるでしょ!もう!!」
そう言うと、フワッ...と持ち上げられた。
ん?
あなた「ちょ!!!お姫様抱っこなんてしなくていいんですけど!!」

及「そんなことより怪我を心配して!」
じたばたと暴れ、必死で抵抗する。
及「も〜...聞き分けの悪いお姫様だ事!」
グッ...
あなた「?!」
一気に及川さんの顔が目の前にき、恥ずかしさから頬が熱くなるのが分かる。
及「ふッ...顔真っ赤。かぁわい。」
綺麗な口が弧を描き思わず息をのんでしまいそうな笑顔を見せた及川さん。
あなた「ば、馬鹿じゃないですか!下ろしてください!!」

呑まれては行けない私の五感がそう告げる。


あなた「歩けます!から...!!」
ドン!っと胸板を押して、なんとか及川さんの腕から抜けようとする。
及「あ!ちょ!!」
必死の抵抗に及川さんもついていけず、腕が緩まる。
あなた「きゃッ!」
自分から降りようとしたくせに、降りる体制は全然という程出来てなく。
及「危ない!」
頭から落ちそうになった。
及「っ...てて」
なんとか及川さんが守ってくれたらしく、超至近距離に及川さんの顔がある。
そう。
及川さんの顔面があるのだ。()
あなた「...は?」

及「...まつげ長いね。可愛いね。」

あなた「いや、あの...離れてください?」

及「ヤダって言ったら?」

あなた「岩泉さん行き案件ですね。」

及「ハイ、どきまーす。()」
岩泉さんと言う弱点がある及川さんはチョロい()

及「もー少し2人っきりの空間作りたかったなぁ〜!」

あなた「何ほざいてるんですか殴りますよ?」

及「冗談だって!」
あはは〜!と笑った及川さんは私から距離を取り、正座した。
あなた「別に正座しろとは...」

及「あ、ごめん癖で☆」
どんな癖ですか()
とは突っ込まないようにしよう((
及「それはそうと、手当くらいはさせてね!」

あなた「え、いやあの!!」
及「拒否権なーし!ほら行くよ!」


手!!握らないでもらっても?!!

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