第137話

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2021/02/26 06:00
〜あなたside〜
シャカシャカシャカシャカ…
無心でスポドリの粉と水を混ぜ合わせる。
沢山のスポドリが出来ていく。
あなた「無理無理。ほんと最悪。牛島先輩になんて言われるんだろ。
最早クビです。みたいな???」
心の声が口から出てしまう。
ブツブツブツブツと文句を垂らしながら腕の感覚がなくなりつつあるドリンク作りをする。


牛「あなた、今大丈夫か?」

あなた「はい。もちろ…っ」
''勿論''と答えようとしたところ、声をかけてきた人物をみ、少し躊躇う。
あなた「牛島先輩…。」
牛「?どうしてそんな顔をする。
俺が怖いか?」

あなた「いえッ!!そんなまさか!」

牛「川西から」

あなた(ぁ〜…やっぱりチクられたんだ、いやサボってた私が悪いけどね。)

牛「怪我をしていると聞いたが、大丈夫か?」

あなた「へ…?」
てっきり怒られると思ってた私は牛島先輩の言葉に拍子抜けする。
あなた「怒って…ないんですか、?」

牛「?何故怒る?怪我をしたのは不注意かもしれないが、それよりも先に心配する方が先だろう?」

あなた「ッ…!」
きょとんと首を傾げてこちらを見る牛島先輩に胸が痛くなった。
あなた「…ありがとうございます、大したことないので気にしないでください!!」
精一杯の笑顔を見せて、安心させる。
牛「、そうか」
心做しか、牛島先輩も小さく笑ってくれた気がした。

五「あなた〜!!!」
ほっこりとした空間に向こうからつーちゃんが駆け寄ってきた。
あなた「つーちゃん、どしたの?」

五「牛島さんがあなたの近くにって聞いて!」

牛「五色、そんな焦らずとも俺は居なくならないぞ?」
真顔で答える牛島先輩をつーちゃんは確かに!というような少しびっくりしたような顔で見る。
五「ていうか、牛島さんはあなたのこと怒らなかったでしょ?!」
ぐわん!とこちらを向き、目を見開く。
あなた「あ、うん…心配してくれた。」

五「だよね!」
''知ってた!''と言わんばかりにドヤ顔をするつーちゃんに笑いがこぼれた。
あなた「つーちゃんは牛島先輩のこと、よく知ってるんだね!」
笑を零して言うと少し顔を曇らせて、「まぁ…うん。」と濁した返事をした。
あなた「??」

五(ほんとによく知ってるのは、あなたの事なんだけどな。)


牛「まぁ、あなたはまだ怪我が痛むだろう。
休み休みでいいから、マネージメントを頼む。」
牛島先輩に頼まれ、俄然やる気が出た私は「はい!」と元気よく答えた。

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