五色「! すいません、ちょっと頭に血が上ってたみたいです、。」
落ち着いたような声色で五色が言う。
白布「…悪かった。」
五色「え、?」
戻ろうとした五色の背中にお詫びの言葉を投付ける。
白布「お前があなたを好きなのはちゃんと知ってた。お前があなたに優しくする理由も分かってた。」
1度息をつき、また言葉を紡ぐ
白布「俺は、言い訳してばっかりで逃げることも多い、けど。」
白布「好きなやつには素直になりてぇのはずっと前からあった感情だったんだよ、」
今にも泣きたいような感情が顔に出ていたのか、五色は1度驚いたような表情をし、下唇を噛み締めた。
五色「結ばれるのは白布さんって決まったわけじゃないんですから、抜かさないでくださいよ。」
白布「分かってるよ。忠告どうもな。」
睨みつけられ、にっこり笑って挑発を返した。
〜あなたside〜
白布先輩とつーちゃんが言ってしまった方向をぼーっと見つめながらさっきのつーちゃんの表情を思い出す。
あんな顔をされたのは初めてで正直戸惑いしか胸には無い。
牛島「あなた、大丈夫か?」
牛島先輩に声をかけられ、やっと現実に戻される。
あなた「あ、すみません!ぼーっとしてて!!」
慌てて言うと「それならいいんだ。」と優しく笑ってくれた。
あなた「牛島先輩は…謝られるよりお礼を言われた方がいいですか、?」
牛島「?」
白福さんとのやり取りを思い出し、ふとそんなことを聞く。
牛島「それは時と場合によって異なるだろう。けれど、そうだな。」
少し考えるように目線を下に向けた。
牛島「ごめんなさいや、すみませんより。
ありがとうと笑って言われれば気分は良くなるな。」
しっかりと目を見つめてそう言った牛島先輩。
あなた「そ、そうですよね!変な事聞いてごめんなさい!
真剣に答えてくれて嬉しかったです!ありがとうございます…!!」
あはは〜と笑みを浮かべて小さくお辞儀をした。
つーちゃんのあの顔は、''ありがとう''や''ごめんなさい''みたいな私が何となく言った挨拶で出来てしまった顔なのか。
あなた(これからはもう少し笑顔でありがとうって言お!)
尊敬する先輩2人から「ありがとう」の方がいいと言われたら、私は笑顔でお礼を言うしかない。
ニッ!と口角を上げ、入部当初の私のように。
それ以上の笑顔でマネージメントをしようと思った。
武田「…美紗乃さん、空元気ではないといいのですが、」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!