無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第18話

実行に移して
それは、女子の背後の間近に迫ったあたりで生じた自問だった。
凛雨
…………
どうやって話しかけよう。

仁菜みたいに明るくなんてできないけど、かと言って郁人みたいにさりげなく話しかけるのも無理だし……。肩ポンッてやってみる?初会話の前からそんなに馴れ馴れしくして引かれないかな?

ああ、僕って本当ダメだ……。世の中のフレンドリーな人は相当メンタルが強いんだろうな。尊敬する。


……僕もその一人に、ならないと。


いけ……!
凛雨
あ、あの!
クラスメイトの女子
彼女が振り返ってきて、僕に目を留めると少し驚いたようにする。

けれどすぐ、普通の顔をして「なに?斗枡くん」と尋ねてきた。

……えっ、と。
凛雨
何か、困ってる風に見えたから……。僕でよかったら力になるよ
「力になる」なんて大袈裟だったかもしれなかったが、後悔する間もなく、彼女が“笑った”。
クラスメイトの女子
ありがとう。じゃあさ、これあそこの空いてるところに張ってくれる?
彼女は黒板の上方にある空きスペースを指差した。

どうやら掲示物が多すぎて張るところがなくなり、彼女が指した場所に張るしかないが身長の関係で届かないのだろう。

こうして近くで向き合ってみると、彼女は僕より大分小さかった。
凛雨
わかった
手を差し出し、彼女からプリントとそれを張る用の横長のマグネットを受け取る。

僕も高二男子の中ではそこまで高い方ではないけれど、軽く背伸びをしたら難なく張ることができた。
凛雨
あんな感じで大丈夫?
クラスメイトの女子
うん!めっちゃ大丈夫、ありがとう!
安堵の混ざった明るい笑顔で言う。

ちょうど同じ頃、彼女の後方に見える教室のドアからクラスメイトの女子が入ってきた。
クラスメイトの女子
あ!!ちょっと遅いよー!
クラスメイトの女子
ごめんごめん、なんかトイレ超混んでて
クラスメイトの女子
もー。斗枡くんが張ってくれたからいいけどー
友達なのかな。そういえば教室でもいつも二人でいるっけ……。仲良さそう。

僕は静かにその場を離れ、自分の席へ戻った。
郁人
おかえり
凛雨
……ただいま?
椅子を引いて、音を立てずに腰掛ける。
郁人
どうだった
郁人はあまり抑揚をつけずに言った。

……この答えで合ってるか分からないけど、思ったことはある。
凛雨
なんか……すごい、普通だった。普通に話せた
中学校あたりから、女子には遠くから僕の顔を見ながらヒソヒソ話されたり、変に凝視されたりするのが当たり前だった。

でもさっきはどっちもされなくて、みんなが何気なく話している時のような自然な空気が僕とあの子を包んでいた。

僕はフードを被っていないのに。
郁人
そういうことだよ。お前はその気になれば俺ら以外とも話せるんだよ
凛雨
…………
郁人
思い込みがなくなればもっと色々できる。それで自信ついたら、告白すればいいんじゃねぇの?
凛雨
……………………
淡く微笑する郁人が優しすぎて、僕は涙が出そうだった。
郁人
えっ、おい泣くなよ
凛雨
うん……
瞬きをせずに必死に堪える僕を眺め、郁人は感受性強ぇな……と呟いていた。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

ノア
入賞者バッジ
ノア
ノアです、よくラノ書いてます笑 小説を書くのが好きです^^* アイコンはりーちゃんこと莉兎から! ありがとね(*´v`) nanaやってます! 「月輝」という名前なので、見かけたら声かけて下さると嬉しいです(*´▽`*) 「カクヨム」というサイトの 『片想いの恋人〜この手は心に、届かない。〜』が面白いので、是非見て下さい!!オススメです! 【大切さん!みんな大好き✨】 妻&親友 星空姫 姉 颯。 双子の姉&神友 莉兎 妹 未絢、ユナ(千騎)、いな cocoa、藤原尊、ノヴァ、れんげ、葵
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る