ゆうたside
あなたが空いた食器を下げてくれてる中、今日のスケジュールの確認。
…あー、そういえばさっきやまとから呼ばれたんだっけ?
話があるからあなたと2人で来いとか言ってたな
時間的にもその話とやらを聞いてから撮影だな。
「…ふ、」
あなたのストーリーを見ると、コーヒーの写メと『幸せ』の文字。
俺の投稿とほぼ一緒じゃん。
毎日一緒にいると似てくるもんかな。
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身支度をして、あなたとやまとの家に向かう。
『話があるって何なんだろ、またお説教?』
「それはないでしょ」
『だよね、怒られるような事してないもん」
インターホンを鳴らし、やまとの部屋に入るなり嫌なすげぇ目をしたやまとが目の前に立った。
『やまとおはよ〜』
や「おはよう、早起きで偉い!でもこれは
何!?」
やまとが携帯の画面をずいっと見せてくる。
「あっ、これ」
さっきあげたストーリーじゃん。
や「ただでさえお前らカップル説出てんの
に…あぁーー!もう!!」
カップル説?
そんなの出てたんだ。知らなかった
「え、何?話ってまさかそれ?」
や「そうだよ!!大変なんだからな!!」
『…わぁ、本当だ。見て』
あなたに届いたDMを見ると、
[ゆうたくんと付き合ってるんですか?]
[同棲してるの!?]
といった内容が沢山。
最近開いてなかったDMを見てみると、俺の方にも同じような内容ばかり来ていた。
や「もうさっきの匂わせストーリーでカップ
ル説立証したようなもんだろー…どうす
んだよ!」
「匂わせって。あれで?」
や「十分匂わせてんじゃん!なんでお前が
あなたの彼氏役なんだよ!俺だろう
がよ!!」
……いや、そこかよ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。