伏黒side
三日前、あなたが目を覚ました。
でも、最近、どうしようもなくあなたの事が心配になる。
アイツが起きてくれて安心したのに、なにかが胸の奥で引っかかる。
少し‥いや、結構嫌な感じだ。
それに、心なしか虎杖や釘崎にも元気がないように見える。
笑ってないとか、そういうあからさまなものじゃなくて、理由を聞かれても確実に話せないくらい。
‥でも、やっぱり落ち込んでるような雰囲気を纏っている気がする。
釘崎は、いつもより淡々とした口調でそう言った。
悩んでいても、いつかは向き合わなければならないこと。
俺は、意を決して二人の目を見つめ、言葉を放つ。
ダメ元でこう言った。
そう、ダメ元で言ったはずなのに、こいつらは固まってなにも喋らない。
まるで、俺の言葉を肯定するように、顔を歪めた。
ああ、そんな気はしていた。
心の中で、俺に何か隠してるんだろう、と。
あなたが俺を、覚えていない。
思ったよりもストン、と心に落ちた。
確かに、それなら全ての辻褄が合う。
コイツらが俺に挙動不審になるのも、
「あの‥‥、だr‥____」
あの時、あなたが言おうとした言葉も、
全てがパズルのようにハマって、その出来上がったパズルが、俺を嘲笑うように現実を物語る。
〈 next.♡×15 〉
アンケート
みなさんの地域での感染拡大
まぁまぁかな。
33%
今のところ大丈夫!
29%
ちょっとヤバイかも。
38%
投票数: 369票
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。