そして私 , 見事に迷ってしまいました .




　　　向かったであろうほうに私も来たのに

　　　真っ暗な路地裏に
　　　見事迷い込んでしまいました .

　　　私が引き返そうとした時




　　　パン , と銃声音のようなものが響いた .

　　　ここはどこなのと思うくらい
　　　物騒な物音に震えが出てくる .



　　　何 … なにごと , !?




　　　私は恐怖に駆られながらも
　　　ちょっとの好奇心で

　　　銃声みたいな音が聞こえてきた方へ
　　　足を進めてみる .

　　　そこにはなんと , 先程
　　　私とぶつかった男性がいたのだ .




　　　それだけではなく ,



　　　彼の足元には肩を撃たれ
　　　痛さに項垂れている

　　　図体の大きな男が転がっていた .

　　　ガタン ,




　　　私はそれを見つけてしまって
　　　恐怖のあまりに後退りをした .



　　　それが間違いだった .



　　　うっかり音を立ててしまったのだ .






　　　その物音に反応した彼は
　　　早い速度で私の方を振り向いた .





　　　鋭い目つきで私を捉えた彼に
　　　余計怖さを覚えた私は





　　　勿論 , その場から思い切り逃げ出した .

　　　聖なる夜に起こった事件 .




　　　早くも別れを告げてきた彼氏のことなど
　　　頭から消えていたのでした .