第9話

 ◇ 
1,445
2023/03/22 12:00



   黒に囲まれた 暗い建物 .


   奥に奥に進めば進むほど
   暗さも増すし , 怖さも増していく .


   なんだか分からないけど
   お偉いさんが行くべき様な場所に

   向かっていっている事だけは
   何となく , わかる気がする .



 SEUNGKWAN 
 SEUNGKWAN 
 堅くならないで楽にしてて 
 ME 
 … えぇ , 



   できるか!!!


   こんなところに連れられた挙句
   堅くならずいろなんて

   無理な話するんじゃないよ … !!



 SEUNGKWAN 
 SEUNGKWAN 
 よし , 



   スングァナは大きな扉の前にくると
   コンコン , と2度ノックした .



   中からはしっかりとした声で

   " 入れ " と聞こえてくる .



   は , 入れ だって … !!
   絶対偉い人じゃんん .. !!



   こわい .. 待って私なんかしたの .. ?
   おかしい , なんで … ??



 SEUNGKWAN 
 SEUNGKWAN 
 失礼します . 
 SEUNGKWAN 
 SEUNGKWAN 
 連れて来ました , 僕の友達です . 




   僕の友達です . って気楽に言うような
   場所じゃないし , こんな所に
   紹介して欲しくなかったな , !?



 S.COUPS 
 S.COUPS 
 こんばんは 
 ME 
 こっ , こんばんは … 
 S.COUPS 
 S.COUPS 
 そんなに緊張しなくていいよ ㅎ 
 とりあえず , 目の前の椅子に
 座ってくれるかな ?? 



   声が裏返った私が面白かったのか
   ふわりと可愛らしい笑顔を見せた

   なんだか強そうな人は
   私に座るよう命じた .



 ME 
 は , はい … 



   私の目の前に座っているのは
   強そうな人合わせて3人 .

   他にもスングァナ入れて
   ざっと10人くらいはいる .

   でもその10人さんは誰1人座ってない .



 S.COUPS 
 S.COUPS 
 君がスングァナの友達の … 
 ME 
 あっ , あなた … です , っ 



   何かわからないけど名前名乗っておこう …

   いつ殺されるか分からない … ㅠㅠ



 S.COUPS 
 S.COUPS 
 あなたちゃんね , 



   いつまでも緊張して
   上がった肩が下がらない私 .


   私これからどうなるんですか ..



 JEONGHAN 
 JEONGHAN 
 スングァンと同じバイト先で
 クリスマスに彼氏に振られた 
 ME 
 え" 
 JEONGHAN 
 JEONGHAN 
 その後男とぶつかり
 落としたUSBを拾い上げる 
 ME 
 … , 
 JEONGHAN 
 JEONGHAN 
 落とした男に返そうと 
 あとを追いかけた先 



   なになになに , 何この人 , !!

   だっ , え , スングァン私の情報売った … ?



   あたふたしているのは私だけのようで
   ピーンと張り詰めた雰囲気が
   静かに部屋を包んでいる .


   綺麗な顔をした人は
   言葉を続けた .



 JEONGHAN 
 JEONGHAN 
 お前は何を見たんだ? 




   手元にある紙から目線だけを上げて
   私にそう問いかけた .


   少しふわついた声とは裏腹に
   鋭く私を貫いてきそうな視線を向ける .


 ME 
 … 人 , が ..
 撃たれて倒れているのを見ました .. 



   そんな視線に言葉を紡ぐしかなく ,
   私は気付けば見たまんまを喋っていた .



 JEONGHAN 
 JEONGHAN 
 はぁ … 




   正直に答えたのに
   なぜだかため息をつかれる私 .


   なんか気に触ること言ったかなぁぁ ..


   私がビクビクしていると
   これまで一切喋らなかった

   並んで座る男の人3人のうち1人が
   口を静かに開いた .



 JOSHUA 
 JOSHUA 
 ごめんね , 
 こんな事になってしまって 
 JOSHUA 
 JOSHUA 
 でももうそこまで見てしまったら 
 君を静かに帰すことは出来ない



   少し困ったような顔をした彼は
   また口を開いた .



 JOSHUA 
 JOSHUA 
 簡潔に言うけど ..
 僕達はマフィアなんだ 
 JOSHUA 
 JOSHUA 
 裏社会の人間だよ . 



   本日 , 私命ないかもしれません .


   そして スングァン .
   私を今まで騙していたのですね .



   驚きのあまり少し後ろに立つスングァンに
   勢いよく振り返る .



   そうすればスングァンの口が
   ごめん , と動いたような気がした .





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