黒に囲まれた 暗い建物 .
奥に奥に進めば進むほど
暗さも増すし , 怖さも増していく .
なんだか分からないけど
お偉いさんが行くべき様な場所に
向かっていっている事だけは
何となく , わかる気がする .
できるか!!!
こんなところに連れられた挙句
堅くならずいろなんて
無理な話するんじゃないよ … !!
スングァナは大きな扉の前にくると
コンコン , と2度ノックした .
中からはしっかりとした声で
" 入れ " と聞こえてくる .
は , 入れ だって … !!
絶対偉い人じゃんん .. !!
こわい .. 待って私なんかしたの .. ?
おかしい , なんで … ??
僕の友達です . って気楽に言うような
場所じゃないし , こんな所に
紹介して欲しくなかったな , !?
声が裏返った私が面白かったのか
ふわりと可愛らしい笑顔を見せた
なんだか強そうな人は
私に座るよう命じた .
私の目の前に座っているのは
強そうな人合わせて3人 .
他にもスングァナ入れて
ざっと10人くらいはいる .
でもその10人さんは誰1人座ってない .
何かわからないけど名前名乗っておこう …
いつ殺されるか分からない … ㅠㅠ
いつまでも緊張して
上がった肩が下がらない私 .
私これからどうなるんですか ..
なになになに , 何この人 , !!
だっ , え , スングァン私の情報売った … ?
あたふたしているのは私だけのようで
ピーンと張り詰めた雰囲気が
静かに部屋を包んでいる .
綺麗な顔をした人は
言葉を続けた .
手元にある紙から目線だけを上げて
私にそう問いかけた .
少しふわついた声とは裏腹に
鋭く私を貫いてきそうな視線を向ける .
そんな視線に言葉を紡ぐしかなく ,
私は気付けば見たまんまを喋っていた .
正直に答えたのに
なぜだかため息をつかれる私 .
なんか気に触ること言ったかなぁぁ ..
私がビクビクしていると
これまで一切喋らなかった
並んで座る男の人3人のうち1人が
口を静かに開いた .
少し困ったような顔をした彼は
また口を開いた .
本日 , 私命ないかもしれません .
そして スングァン .
私を今まで騙していたのですね .
驚きのあまり少し後ろに立つスングァンに
勢いよく振り返る .
そうすればスングァンの口が
ごめん , と動いたような気がした .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。