ーころんくんsideー
教室に居ればみかと付き合ってる説……。
すとぷりのメンバーと話しててもなんかイライラする……。
昨日もLINEでさとみくんに少し当たってしまった。
僕の今の心情が正直分からない。
みかがあなたちゃんにしたことは許してないし、許せない。
でも別にみかに対して怒ってるわけではないと思う。
誰にもヘイトは向けていないと思う。
ただ……多分。僕は……
何も出来なかった"自分"に対して腹が立っているんだ。
そんなことを呟きながら廊下を歩いていた…。
ドスッ
『寧ろちょうど良かったかも。』
こんな都合のいい言葉……。
僕には言えないよ。。。
ポスッ
急にさとみくんが、
僕の頭に手を乗せてきた。
そんなに僕が険しい顔をしていたのか……、
さとみくんは、心配してそうな、でもどこか悲しそうで……
「お見通しだよ」とでも言うような表情を浮かべて口を開いた。
親友に心配をかけて…、自分じゃ何も出来ない僕が、僕は嫌いだ。
さとみくんに少し図星をつかれ、
僕は何も言えずに下を向いた。
突っ込む暇もなく、さとみくんに手を引かれ、
全速力で走って屋上へ行く
僕がぜぇぜぇ言いながら必死にさとみくんについて行ってるのも気にせず、さとみくんはダッシュで階段をのぼり、屋上の扉を勢いよく開けた。
キーンコーンカーンコーン
あぁ……。また当たってしまう。
なんでこんな口調でしか喋れないんだろ。
怒られても仕方ない。
そうだよな…まぁ、当たったのは僕n……って
そう……思ってもないようなことを口にし……
僕は親友に背を向けて歩いた。
ガシッ
ポロッ
一筋の涙が……僕の左頬を静かに通った。
そう言うと彼は、そっと手を離し…
さっきまでとはまるで違った、弱々しい声でそう言葉にした。
そんな彼の姿を見て僕も、
静かに頷いた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!