sideあなた
『たら~いま~』
「…」
飲み会から帰ってきて
比較的早く帰ってきたつもりなのに
丈の返事がない。
『じょうくん、?』
「あ、おかえり」
「めっちゃ酔っ払ってるやん。笑」
「何杯飲んだ?」
『~、分からん』
「はい、もうはよ寝」
『いや!』
「は?」
仕事で嫌なことがあった日は丈くんに甘えるって決めてる。
2人とも素直じゃないけど通じあってる。その辺は。
まあ睡魔が限界なのも事実、やけどさ。笑
「…なんかあったん?」
『ん』
自分も忙しいはずなのに
手を止めて向き合ってくれる。
ぎゅっとして背中とか頭とか撫でてくれる。
「あなたがめっちゃ飲んでくる時は」
「なんか辛いことあった時だけやろ。」
丈だってこの時は素直になる。
いつもはこんな優しいこと言わへんもん。()
「ただなぁ、、」
「男おる時に飲むのはやめてくれ、笑」
「ほんま、心配。」
なんか、なんか、すっごい恥ずかしくて寝たフリをした。
「おやすみ、」
そう言って触れるだけのキスをして部屋を出て行く
丈の背中を眺めながら眠りについた。
明日は丈とデートの日。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。