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第11話

stone02. 田中樹の場合
「ねえ樹くん、ドライブしよっか。」


地下駐車場を出て広い道路へと差し掛かった時、ふと思いついたことを口に出せば驚いた樹くんの声。

『え、今から?』


「うん。…あ、でも今朝早かったし…疲れてるかな?」


『いや、それは大丈夫だけど…あなたさんは?』


信号待ちでちらりとこっちを見てくれた樹くんの目をじっと見たら、恥ずかしがって目を逸らされちゃった。


「私から言い出したんだから大丈夫。


運転してる樹くん好きだから、家までじゃ足りないなって。久しぶりに一緒に帰れるし…遠回して帰ろうよ。」


『別にいいけど…いいの?ラジオ遅れるよ?』


「そこは、樹くんにお任せしまーす。」


『はじまるまでに家に着けばいい?俺もジングル流れるか気になるし、ラジオ聞きてえもん。』


そう言って、いつも通る大通りから離れて右折していく樹くん。


優しいなあ。こういうとき、甘やかされているなあと感じる。


いつもより少し遠回りをしながらの帰り道、わたしはずっと運転している樹くんを見つめていた。


見すぎ!なんて途中で怒られちゃったけど、そんなの照れ隠しだって分かってるから、無視!





〜ラジオ開始20分前、23時10分〜





ラジオまでに無事に家に着いて、2人でソファでのんびり。


2人でいる時は、大きめのソファの真ん中あたりにくっついて座るのが最近とても落ち着く。


『あなたさん、飯どうする?俺腹減ったー。』


ソファにもたれ掛かりながら聞いてくる樹くん。


「んー、私はラジオ前に軽く食べたから…樹くん食べる分何か作る?何がいいー?」


『うわ、すげえ悩む。……ちょっと待って、考える!何あったっけ?』


そう言って立ち上がってキッチンへ向かい、冷蔵庫を開ける樹くん。


中段に並ぶのは、今朝作った作り置きのタッパーが幾つか。そろそろ味も染みてる頃かな?


そんな冷蔵庫を見て、樹くんが声を上げる。


『あなたさん!俺これ超好き!食っていい?』


「足りるー?何か汁物作ろうか。」


『まじで?すげえ嬉しい。あれがいい、卵のやつ!これに卵って絶対合うでしょ。』


冷蔵庫に入っていた好物のおかずにテンションが上がっている樹くんが可愛くて、ソファから返事をしていた私もキッチンへと向かう。


『なんか手伝う?』


「ありがとう。それじゃあ…。」


冷蔵庫から取り出したタッパーを受け取って温めなおしたり、焼いたり、軽い小鉢を作ったりリクエストのあった料理を作り終えた時にはラジオ開始10分前。


テーブルに並べて、樹くんの向かいに座る。


「お待たせ。どうぞ召し上がれ。」


『美味そう…!ねえ、あなたさん、本当に食わないの?』


樹くんの、偶に出る一緒に食べたいアピール。


つい、負けちゃう。


「…ちょっとだけね。」


『やった。いただきます!』


2人でテーブルについて、いつ始まってもいいようにラジオを付けていれば、そのうち聞こえてきたいつものお決まりの言葉。


((SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル〜!!))


『お、はじまったねー。』


(こんばんは、髙地優吾です!)(ジェシーです!)


番組タイトルコール、そこにいつも聞こえる樹くんの声がなくて、なんだか物足りなさを感じてしまった。


『ねえー、髙地だからって分かりやすく嬉しそうにしないでよ!』


素直に感情を露出して、拗ねてくる樹くんが可愛くて、わたしは少しだけ揶揄うのだった。