あれから色々なお店を回った。
おしゃれな服が売られているブティックやスポーツ用品店、本屋なんかも行った。
しかし、高らかにお小遣いを使い切ると宣言していた肝心のじんたんは結局何も買わなかった。
じんたんの指さす方向には商店街には見慣れない寿司屋があった。
こうして、俺らは回転寿司店に入っていった。
正直お寿司どころか外食すらした事ない俺は、その雰囲気に動揺していた。
その動揺を隠しながら俺はじんたん達と向かい合うようにしてテーブル席に座った
レーンをふと見ると見たこともないような、
何とも名状しがたい異様なお寿司...
いや、もはや寿司と呼べるかも危ういようなものが流れてきた。
じんたんはレーンに手を伸ばし、その異様なお寿司を自分達のテーブルへと引きずり下ろした。
お皿の上に乗った仰々しい「何か」が自分の目の前に君臨している...
じんたんはその物体をひと口で頬張り、噛むこともせずに飲み込んでしまった。
その時だった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!