第2話
お兄ちゃんの後輩
今日も私は、いつもと変わらず1人だった。
1人には慣れてるから、悲しくもなんともないけど…
家に帰ると、私はパンダのぬいぐるみを見つめる。
私が小さい頃からずっと一緒にいるこの子の名前は「パニー」ちゃん。
パニーちゃんを買ってもらってから、私はパンダが大好きになった。
かわいくて、かわいくて、集めまくった結果、部屋中パンダだらけ。
お兄ちゃんが帰ってきたみたい。
誰かな?
お兄ちゃんはやっぱり友達がいて、人気者なんだな。
会いたくないから、部屋から出ないようにしよう。
ドアの向こうからお兄ちゃんが言う。
向こうから聞こえてくる話し声。
私のこと話してる~!!!!
やめて~!!
はぁ。
だから嫌なんだ。
お兄ちゃんの妹だからって期待される。
私はみんなが期待してるような人間じゃないのに。
ん?えっ??私???
お兄ちゃんは、私が人と話すのが苦手だって分かってるからそう言ってくれたんだよね。
妹の私でも、やっぱり尊敬する。
でも、高校に入ってから初めて話しかけられたかも。
実は少し嬉しかった。
その日の夜。
気のないような返事をしてしまった。
そう言ってお兄ちゃんは部屋に入っていった。
その、たくみっていう人、フレンドリーなのかただの女好きなのか分かんないけど、なんかああいうキャラ苦手かも…