私が暮らしてた世界とは全く違う、何か別の遠い世界に住むミーア
ミーア姫は毎日こんな高いヒールを履いて過ごしてたんだ。
最初は、お姫様の暮らしって優雅にしてればいいって思ってたけど、
私達には考えられないような大変な思いをしてたんだな。
一国の姫としての誇り、重責を背負って常に張りつめて毎日を過ごしていたのかも。
ミーア姫様。本日は、よろしくお願いいたします。
あら?カナリア王国ではこのように生けられていたのですか?
まさか姫様、我が王国での生け方を予習していらしたのですか?
さすが王子様の花嫁様になるお方です。
たっ助かったー。
なんだか清々しい朝――。
スーツを着た大人たちが会社に向い、制服を着た学生たちは学校へ向う。
この街はいろんな人々が朝から慌ただしく動いている。
こうして自分の足で歩いて街を見るのもいいものね。
おはょ…おっ?川平じゃないかぁ遅刻魔の…今日は随分早いんだな。
ニコっと会釈だけして先を急いだ。
それにしても、
まだ2回目だというのに、この空間に上手く溶け込めている気がする。
このまま、入れ替わって生きて行けるのではないかそんな気までしてしまう。
ただ、海人とはあれからなんだか気まずくて目すら合わせられないでいる。
後ろからポンと私の背中を叩いてそう言ったのは親友の美波だった。
美波の向いた方を見るとそこには海人がいた。
そうしてまた、背中をポンと押して美波は私を送り出してくれた。
何?何なの?私今から何を言われるの?
頭の中でそんなことを思いながら彼の後をついて行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。