第14話

自覚が芽生える時
50
2018/08/08 13:26
私が暮らしてた世界とは全く違う、何か別の遠い世界に住むミーア
川平 美亜
川平 美亜
ほっほんとにこれ履くの~?!
こんな高いヒール転んじゃうよー。
佐々野 美咲
佐々野 美咲
ほらしっかりと背筋を伸ばして!
川平 美亜
川平 美亜
そんなこと言われても~
佐々野 美咲
佐々野 美咲
人の品格は履く物によって決まると言われています。
姫は、ご自分の履物にはたいそうこだわりを持たれていました。
川平 美亜
川平 美亜
えっ?
佐々野 美咲
佐々野 美咲
まずは足下から、ミーア姫はカナリア王国の姫としてのプライドを持っているんです。
これでも一番ヒールが低いものを選んだんです。我慢してください。
ミーア姫は毎日こんな高いヒールを履いて過ごしてたんだ。


最初は、お姫様の暮らしって優雅にしてればいいって思ってたけど、
私達には考えられないような大変な思いをしてたんだな。


一国の姫としての誇り、重責を背負って常に張りつめて毎日を過ごしていたのかも。
川平 美亜
川平 美亜
美咲さ…み美咲!私、頑張って姫になりきる!!
佐々野 美咲
佐々野 美咲
どうしたんです?急に。
川平 美亜
川平 美亜
いや宣言しといた方が追い込まれて頑張れるかな?なんてアハハ
佐々野 美咲
佐々野 美咲
…本当に大丈夫でしょうか…?
 ミーア姫様。本日は、よろしくお願いいたします。
川平 美亜
川平 美亜
こちらこそ。よろしくお願いします!!
 あら?カナリア王国ではこのように生けられていたのですか?
川平 美亜
川平 美亜
えっ?!え…っとー。
 まさか姫様、我が王国での生け方を予習していらしたのですか?
川平 美亜
川平 美亜
えっ?あっはい!やっぱり何事も勉強しなくてはですものねオホホホホ。
 さすが王子様の花嫁様になるお方です。


たっ助かったー。
                                 なんだか清々しい朝――。

             スーツを着た大人たちが会社に向い、制服を着た学生たちは学校へ向う。

                     この街はいろんな人々が朝から慌ただしく動いている。

                      こうして自分の足で歩いて街を見るのもいいものね。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
おはようございます
               おはょ…おっ?川平じゃないかぁ遅刻魔の…今日は随分早いんだな。

                              ニコっと会釈だけして先を急いだ。

                                       それにしても、
              まだ2回目だというのに、この空間に上手く溶け込めている気がする。
           このまま、入れ替わって生きて行けるのではないかそんな気までしてしまう。


            ただ、海人とはあれからなんだか気まずくて目すら合わせられないでいる。
城之崎 美波
城之崎 美波
ほい!あんたらどしたー?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
えっ?
               後ろからポンと私の背中を叩いてそう言ったのは親友の美波だった。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
美波
城之崎 美波
城之崎 美波
さっきからあんたたち全然目合わせてないよねー?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
えっ
                         美波の向いた方を見るとそこには海人がいた。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
あっ…
城之崎 美波
城之崎 美波
何、夫婦喧嘩でもしたの?!
いつもなんだかんだ仲いいのにさ、
そうじゃないとこっちの予定が狂うって言うか~
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
予定が狂う…ってどういう?
城之崎 美波
城之崎 美波
とにかくよ!何があったか知らないけど、仲直りしなよ!
吉田 海人
吉田 海人
こっちからしたら一方的に避けられてるだけなんだけど。
まあ、ちょうどよかった。俺も話あるから。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
えっ…?
城之崎 美波
城之崎 美波
ほらー!行ってきなって!
                そうしてまた、背中をポンと押して美波は私を送り出してくれた。


  
                            何?何なの?私今から何を言われるの?

                     頭の中でそんなことを思いながら彼の後をついて行った。

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