第16話

加速してく想い
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2018/09/06 11:15
それにしても、お父さんとお母さん元気かな?


何も言ってこないってことは、

…ミーア姫を私と思ってるんだよね…それってなんか


――複雑。
渡月 セシル
渡月 セシル
お疲れ様ミーア姫
川平 美亜
川平 美亜
あっセシル王子。お疲れ様です。
渡月 セシル
渡月 セシル
聞いたよ。お花の先生に褒められたんだって?
川平 美亜
川平 美亜
あー。あれはたまたまって言うか、
渡月 セシル
渡月 セシル
城には慣れてきたかい?
川平 美亜
川平 美亜
あーはい。あっいやなんていうか…。
渡月 セシル
渡月 セシル
ご両親に会いたくなってきた?
川平 美亜
川平 美亜
へっ?
渡月 セシル
渡月 セシル
僕もそうだったよ。君の住むリリアン王国へ社会勉強に出された時、
会いたくて会いたくて、寂しくて、今すぐ逃げ出したいって思った。
けど、君に出会った。ミーア姫に出逢えて、恋をした。
セシル王子のミーア姫への純粋な想いに胸がときめいた。

それと共になぜだろう私の頬に涙がこぼれ落ちていた。
渡月 セシル
渡月 セシル
姫?
川平 美亜
川平 美亜
…あっ。ごめんなさい私、ずっと親に甘えててこんな離れて
暮らしたことなかったからちょっとホームシックになっただけです!
さっきの想いはどれも本当だけど、なんだろう少しだけ胸がざわついてもいた。


セシル王子は、ミーア姫に言ってるつもりなんだろうけど…複雑だな。
渡月 セシル
渡月 セシル
そうだ!気晴らしに出掛けないかい?
企業から創業パーティーの誘いを受けているんだ。
姫のお披露目にもピッタリだと思うんだ。どうだろう?
川平 美亜
川平 美亜
えっ…そんなところ、私なんかが行っていいんですか?
渡月 セシル
渡月 セシル
もちろんだよ。
そうじゃなくて、そんなところで私、ばれずにいられる訳がなーい!!
吉田 海人
吉田 海人
ここが美咲の父親の会社だ。
昔は小さい会社だったらしいけど、一代でここまででっかくしたらしい。
                    一通り、ビルを見上げてから決心したかのように歩き出す。
吉田 海人
吉田 海人
おい、ちょっと待てよ。まさか中に入る気か?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
ええ。直接お会いしないと!
吉田 海人
吉田 海人
バカ言え!相手は社長だぞ?簡単に会えるわけないだろ。
こんなデカイ会社なんだぞ。約束の1つや2つは取らないと。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
じゃあ、取ってちょうだい。
吉田 海人
吉田 海人
おいおい俺にそんな権力あると思うか?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
じゃあこうして見てるだけ…?
吉田 海人
吉田 海人
…いや、あれなら会えるかも。
                    海人の目線の先を見てみると1枚のポスターが貼ってあり、
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
創業20周年記念パーティー
                              の文字がデカデカと宣伝されていた。
吉田 海人
吉田 海人
パーティーなら、美咲に頼んで、社長にも簡単に会えるんじゃないか?
                             どうしてあんな立派な会社があって…。
                       
                    20周年ってことは、私が生まれる5年も前からあって…。
吉田 海人
吉田 海人
危ない!
プップーーー!


                どうやら私は考えすぎて、車道に飛び出しそうになっていたようだ。

              とっさに私の肩に触れ私をかばった彼は気付くと車道側に移動していた。

                 心臓の音が飛躍したのと同時に一瞬時が止まったような気もした。
吉田 海人
吉田 海人
気をつけろ!
                                 海人に一喝され現実に戻った。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
ごめんなさい。考え事してて、、、

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