あれからどのくらい経っただろう――
誰一人通ることのない控室の窓の外を眺めては部屋の中を落ち着きなく歩く
そんなことを何回繰り返しただろう。
一体なぜ、いつも私がお側にいたのに。あんなに頑なに…
美咲がそんな心配をしている頃
なんとか会場を抜け出した美亜、海人、美波であったが
パーティー会場では社長がその異変に気付いていた。
美亜は美波を連れ出せたのかしら?
そう、そんなことは絶対にない。
だって私は・・・
そう言って優しく微笑むセシル王子に私も微笑んで返す。
驚いた。いつもおめでたいばかりの人だと思っていたから。
だけど、私の思いでこの婚姻を破断にすることは出来ない。
――私は、カナリア王国を守らなければならないから!
人通りがなかった控室の近くで声がする。
様々な思考が交錯し居ても立っても居られなくなった美咲はミーアとの約束を破り部屋の外へ出てしまう。
声のする方へ向かうと・・・
城之崎社長?やっぱり姫に何かあったのかしら…!
美咲?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。