第26話

一難去ってまた一難
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2019/02/24 08:02
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
美咲!あなたはここへ残って
佐々野 美咲
佐々野 美咲
えっ?ですが!
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
私は大丈夫だから、ここで待ってて。絶対に外に出てはダメよ!
佐々野 美咲
佐々野 美咲
??…わかりました。
あれからどのくらい経っただろう――
佐々野 美咲
佐々野 美咲
美亜さんはみなさんを連れて無事にご両親に会うことが出来てるのかしら?
外の様子を見に行きたいけど、絶対に外には出るなと言われているし…。
誰一人通ることのない控室の窓の外を眺めては部屋の中を落ち着きなく歩く
そんなことを何回繰り返しただろう。
佐々野 美咲
佐々野 美咲
美亜さんと入れ替わってからというもの…姫様に何があったのかしら?
ずっと側でお仕えしてきたのに変化に気付けないなんて側近失格ね。
一体なぜ、いつも私がお側にいたのに。あんなに頑なに…
美咲がそんな心配をしている頃

なんとか会場を抜け出した美亜、海人、美波であったが

パーティー会場では社長がその異変に気付いていた。
社長
美波が見当たらないが?
秘書
お友達と共にいらっしゃると聞いていたのですが…
社長
一体どこで何を、最後は家族揃ってと言っておいたのに。
王子の前で醜態をさらすわけにはいかない。急いで見つけ出して来るんだ。
秘書
はい。
部下
はい。
                                                                             美亜は美波を連れ出せたのかしら?
渡月 セシル
渡月 セシル
…姫?気分でも悪い?
外の風に当たって来るかい?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
いえ。少し考え事をしていただけです。
渡月 セシル
渡月 セシル
考え事?僕でよければ何か悩んでいるのなら話を聞くよ。
…もしかして、僕との結婚が嫌になった?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
そんなことは!
そう、そんなことは絶対にない。
だって私は・・・
渡月 セシル
渡月 セシル
僕はね、嬉しかったんだ。僕のずっと小さい頃からの望みが叶うから。
あれだけ僕に見向きもしなかった姫が受け入れてくれて父も母もすごく喜んでて、
だけど、どんどん話が進んで行って…姫を心配してたんだ。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
…!
渡月 セシル
渡月 セシル
あの時は嬉しいが先行して姫の気持ちを考えなかった。
だから姫、僕は姫が本当にやりたいようにすることが僕の今の望みなんだ。
そう言って優しく微笑むセシル王子に私も微笑んで返す。


驚いた。いつもおめでたいばかりの人だと思っていたから。
だけど、私の思いでこの婚姻を破断にすることは出来ない。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
私の望みは、王子と共に幸せに暮らすことですわ。
                                                                  ――私は、カナリア王国を守らなければならないから!
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
やはり少し外の風に当たって来ます。
秘書
そっちはいたか?
部下
どこにもいません。
秘書
おかしいな、これだけ探してもいないなんて
人通りがなかった控室の近くで声がする。
佐々野 美咲
佐々野 美咲
何かあったのかしら?まさか正体がばれてしまった?!
様々な思考が交錯し居ても立っても居られなくなった美咲はミーアとの約束を破り部屋の外へ出てしまう。


声のする方へ向かうと・・・
秘書
…!!どちらにいらしたんです?
佐々野 美咲
佐々野 美咲
えっ?控室ですが…?
部下
控室?さっき見たときはいなかったのに
秘書
まぁいいそんなことは、とにかく!
社長がお呼びです。会場へ急ぎましょう。
佐々野 美咲
佐々野 美咲
えっ?!
城之崎社長?やっぱり姫に何かあったのかしら…!
秘書
ところでその格好は何です?
佐々野 美咲
佐々野 美咲
はい?そんなどうだっていいことじゃないですか急ぎましょう!
部下
でもさすがに、給仕の格好ですよねこれ…。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
                                                                                       美咲?

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