第20話

歯車が回り出すとき
40
2020/02/11 09:31
社長
ようこそいらっしゃいました王子。
渡月 セシル
渡月 セシル
お招きいただき光栄です。
社長
こちらこそ。こちらがお噂の…?
渡月 セシル
渡月 セシル
ええ。僕のフィアンセのミーア姫です。
川平 美亜
川平 美亜
えっええ。
社長
これはこれはお似合いのカップルで!
そんなやり取りを2人の後ろで俯き加減に聞いている美咲。
従業員
では、パーティーまでの間こちらの控室でお待ちください。
渡月 セシル
渡月 セシル
ありがとう。
案内してくれた従業員に軽く会釈し中へ入る美亜。
美亜に気が気じゃない美咲もすかさず入ろうとするが…
従業員
お付きの方はあちらに別の部屋を用意してございますのでそちらへどうぞ。
えっ美咲ちゃん一緒じゃないの?!                                                            会社側の配慮でしょう、仕方ありません。



                                         そんな風なやりとりを心で交わしていた。
吉田 海人
吉田 海人
…!!
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
どうしたの?
吉田 海人
吉田 海人
っいや、ドレス着てるといつもと違うなって思って///
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
そうね、想像つかないわよね。
                                                                             美亜はもうドレス姿に慣れたのかしら?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
美波さんの友人の者です。
従業員
こちらをまっすぐ進んでいただいて、右に折れた先に控室がございます。
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
ありがとう。
美咲ちゃんがいないと不安だな…。
渡月 セシル
渡月 セシル
姫?緊張してるの?
川平 美亜
川平 美亜
えっやっその…。
渡月 セシル
渡月 セシル
いつも一緒にいる侍女がいなくて不安?
川平 美亜
川平 美亜
っえぇ。まあ。
渡月 セシル
渡月 セシル
大丈夫。僕がちゃんと君をエスコートするから。
王子に手を握られそう言われた瞬間、胸がドキンて鳴った。
それでなくても緊張で胸が張り裂けそうなのに、心臓が持たないよ!
吉田 海人
吉田 海人
右に曲がればあるって言ってたよな?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
ええ。確かにそう聞いたわ。だけど・・・
吉田 海人
吉田 海人
一体どれが美波の控室なんだ?!
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
私もわかんないわよっ…えっ?
                                                          わずかに目をやった先に見えた控室の窓には美亜とセシル王子の姿があったのだ。
  
                                                                            どうして美亜がここにいるの!?
吉田 海人
吉田 海人
ん?美波いたのか?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
ねえ!このパーティーには王族の方がいらしてるの?
吉田 海人
吉田 海人
えっ?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
一企業にどうしてそんな来賓が?
吉田 海人
吉田 海人
あぁ、会社がここまでになったきっかけのものを城に献上したことで
売り上げが伸びてここまで成長したらしいから、その縁じゃないか?
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
そうなの?!
吉田 海人
吉田 海人
ああ。あっ?おー美波!
湖姫 ミーア
湖姫 ミーア
えっ?
                                                                                        !美咲…!
美亜を心配して控室を出てきた美咲を見て何も知らない海人が美波と思ったのだった。
                             「 ミーアと美亜 」
 
                                                         「 美咲と美波 」


                          同じ会場でそっくりな2組が揃ったことで、運命の歯車がゆっくりと回り出そうとしていた―。

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