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第4話

初めての夜
今日は1日どっと疲れた。何をするにもつきまとってくるし、「お前は彼氏か!」と冗談でつっこめば、本気の顔で「俺はジェシーだ!」と返してくるし。危うくお風呂まで一緒に入ろうとしてきた。
「いつも入ってるじゃん!」って言い張ってたけど、それは犬のジェシーだからで、人間のジェシーは…あぁ!もうややこしい!

ジ「あなた、髪の毛濡れたままは風邪ひくからだめ」

いつの間にかドライヤーを片手にやってきたジェシー。こうやって改めて見るとモデルさんみたい…

ジ「こっちおいで」

ソファに腰掛けると脚を開いて床に座るように指示してくるジェシー。大人しく床に座ってジェシーに背を向けて座れば意外にも慣れた手つきで乾かし始めた。

「乾かすの上手いじゃん!」

ジ「あなたがいつもやってくれるから覚えたの」

「私も乾かしてあげるよ、場所交換しよ」

お互い髪を乾かし終えると2人並んでソファに座ってテレビを見始める。この時間帯のテレビといえば、ジェシーの大好きな動物のテレビ番組で…。

ジ「あ!始まった!」そう言って勢いよく立ち上がるとテレビの前にとんでくジェシー。
画面にはたくさんの子犬。

テレビに食いつくジェシーが何だか可愛くて、いつもするみたいに撫でてあげようと伸ばしかけた手を止めた。

ジェシーが人間になってからというもの、今日1日心のどこかで1人の男の子として意識している自分がいる。そう思うと、胸の中がざわついてしまって、ジェシーのその真っ直ぐな瞳に胸がきゅっとなる。

ジ「あなた、歯磨きの時間」

テレビが終わるといつも決まって私は歯磨きをするのだけど、今日はジェシーと2人並んで鏡の前に立つ。

ジ「歯磨きって難しいね、箸も持つの難しいけど」

眠たそうな目をしながら鏡越しに話かけてくるジェシー。

「そのうち慣れるよ笑 ほんと大きな赤ちゃんみたい」

ジ「んー?」

口の中がぱんぱんになったからなのか話せなくなって顔を歪ませながら一生懸命何か訴えようとしてくる。

先に歯磨きを終えると見よう見まねでジェシーも歯磨きを終えた。

ジ「口の中に何か入ってるとあなたと話せなくてやだよ」

「今日ずっと話してたじゃん」

ジ「足りない!」

ベッドへ向かってからはっと気づく。ジェシー分の布団がない。

「ね、ジェシーはどこで寝る?布団買うの忘れちゃった」

ジ「あなたの隣で寝る」

「ベッド1人用だし…」

ジ「いつも一緒に寝てるじゃん」

でた。今日で何度目かの「いつも一緒」
仕方なく今朝のような配置に横になるけど…とにかく距離が近い!

ジ「あなたいつもみたいにぎゅってしてくれないの?」

「あのね、ジェシーは今人間なの。1人の男の子なの。そういうことは付き合ってからするものなの。」

ジ「寂しいこと言わないでよ、犬でも人間でも俺に変わりないでしょ?」

「それはそうだけどさ?」

ジ「じゃあ、あなたの恋人になる。それならいい?」

「よくない!」

ジ「なんでよ?」

「そんな簡単なものじゃないんだよ?恋人になるってことは」

中学生の頃から樹先輩のことを想い続けてるけど、話したことすらないのに、恋人になるなんて夢のまた夢の話。

ジ「おやすみあなた」

暗闇の中でもわかる。少し元気の無いジェシーの声。がさがさと布団が音を立てる。あっちを向いてしまった。大きな背中が温かい。また言い過ぎちゃったな。

「ジェシーおやすみ」