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第18話

本当の姿
「ちょっとトイレ行ってくるから先に行ってて!」

そう大我に言って別れたあと廊下を歩いていたら
どこから現れたのか1人の女の先輩がやって来た。



『あんたさ、樹のなに?』

「中学からの後輩なだけです」

ダメだこんなことしてたらジェシーの試合に遅れちゃう。

『試合見に来たりさ?男使って近づいたりさー…それでただの後輩だなんて言われてもねぇ笑 』

「あなたこそ樹先輩のな…『あたしは樹の彼女だよ!!急に別れるとか言われてさ?どうせあんたが変なこと吹き込んだんでしょ!!!』

彼女…?変なこと?私が別れさせた…?

訳が分からず固まっていると見たことの無い男2人がやって来て私の腕を強く掴んだ。

「痛い!」

『めちゃくちゃにしちゃっていーよ笑 それくらいのことしたんだもん、じゃーあとよろしくね〜見つからないようにやるんだよ?笑』


生徒はみんな校庭に行ってしまったようで校内はゾッとする程静まり返っている。

片方の男が口を塞いでくるせいで上手く息が吸えない。意識も朦朧とする中連れてこられたのは誰もいない保健室。



お願い…誰かいて…お願い…
私の願いは虚しく消され、静まり返った誰もいない保健室のベッドに乱暴に押し倒された。ビリビリと破かれていく服をただ見つめることしかできない。

浮かんでは消えてく大我とジェシーの顔。
助けて…大我…ジェシー…

ショックで声が出なくなったところで、ギシッとベッドの軋む音がして、男2人の動きが止まる。

1人の男が様子を見に行った矢先、突然男が叫びながら走って来てそのまま保健室を飛び出して行き、私の手首を掴んでいた男も慌てて出て行ってしまった。



しばらく天井を仰いでいると、カチャ。ドアの閉まる音がして見れば犬ではなくそこには北斗くんがいた。

北「これ、俺のでよかったら着て」

北斗くんの匂いのする長袖ジャージが優しく肌に触れた。

「ありがと」

着替えてる間北斗くんは見ないように背を向けていてくれて、その背中はいつもより大きく見えた。


「大丈夫。落ち着くまで一緒にいるから」

振り向いた北斗くんと目が合えば、安心からか肩の力が抜けつい涙腺が緩んだ。
泣くな泣くな、ぐっと歯を食いしばった瞬間、ふわっと北斗くんの匂いに包まれた。

「北斗くん」

そう名前を呼べば更に抱きしめる腕に力が加わる。


北「あなた…俺のこと好きになってよ」

優しいんだけど、どこか冷めたような声色に体がゾクッとした。


北「あなたが欲しい」

いつも眼鏡をかけているから分からなかったけど、こんなにも綺麗な顔立ちをしていたんだと至近距離で向かい合って初めて気付かされた。


唇と唇が触れ合いそうになったところで、北斗くんのスマホが遮るように鳴った。


北「もしも…「おぉいー!!北斗!ごめん!あなたちゃん知らない?!ずっと探してんの!もう!大変なの!!わかる?!大変なのよ!!保健室には来てない?!きょもがいくらあなたちゃんに電話してもLINEしても出ないって言うし既読すらつかないんだよ!どうしよう!北斗ぉぉお」

北「慎太郎とにかく落ち着いて。今あなたちゃんと一緒にいるから。あー、うんうんそう、保健室にいるから、ちょっと具合悪いらしい。うんうん、だから京本とジェシーには言っといて寝てるって、あぁうんわかった」

電話を終えた北斗くんに「襲われたことは言わないで欲しい」とお願いすると、

北「わかった言わないよ。とりあえずバレないように首まで布団に入って、目閉じて。着替えはジェシーに持ってこさせる」
それだけ淡々と言うと鍵を開け、自分のベッドへ戻って行った。

「北斗くん…ごめんねありがとう」


さっきの犬は北斗くんだってことはわかってる。
ただひとつ気になるのは、どうして自由自在に姿を操れるのかという事。もしかしたら、北斗くんならジェシーが犬に戻るための方法を知ってる?