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第28話

右頬
                                                                  Hokuto side



文化祭2日目は一般公開だからそれなりに人も多い。



「北斗、ちゃんとやってる?」


髙地くんは実はこの高校の卒業生だったりする。
3年ぶりに来校しようかなって言ってたけど、本気だったらしい。



「やってますよ笑」


髙「そのお洒落なスーツはどうしたの」


「一応ここコスプレカフェなんですよ。こんな恥ずかしい格好楽しんでるのあいつくらいですよ」

視線を向けた先にはノリノリで接客している慎太郎の姿。


髙「ノリノリだね笑」


「あいつ言い出しっぺなんで」



髙「バイトだと思ってやれよ笑」

「はい頑張ります笑 ゆっくりしていってくださいね」


髙「あ、北斗。」


踵を返した瞬間に呼び止められて振り向く。


髙地「もっと好きにやれよ」



それは欲しかった言葉でもあったけど、


「ありがとうございます」


今1番言わないで欲しかった言葉でもあった。







シフトが終わって交代の時間。慎太郎は困ってる人の助けに回ると言って教室に残るらしい。


早くこの騒がしい中から出たい。
静かなところに行きたい気分だった。



「北斗くん?」


後ろにはあなたが1人大きな荷物を抱えて立っていた。



「あなた」


あなた「執事みたいな格好だね笑」


「慎太郎も着てるよこれ」


あなた「慎太郎くんも? でも、すごく似合ってる」


「ありがとう。それ、どこまで運ぶの?俺にも分けてよ」


助かるって言ってあなたが笑った。


どんどん人気のない倉庫の方へやって来て荷物を置き終わると

あなた「ありがとう!助かった!」

あなたの前髪にさっきまでなかった装飾の破片がくっついていることに気づいて

「あ、ちょっと動かないで」

伸ばしかけた手を止めた。だめだ。やっぱり好きなんだ。


意味が無いことはわかってる。それでもやっぱり好きなんだよ。

顔をあなたに近づけていく。


でも頭の片隅にはジェシーがいて。
あぁ、俺って最低だなって我に返った。

あなた「北斗くん?」


「あ、ごめん。ほっぺに何かついてるからとってあげようとしたの、右頬についてる」


少し距離を置けば、恥ずかしそうに頬をごしごしこするあなた。

あなた「とれた?」


「うん笑」


ジェシー、早く動かないと俺が先に動いちゃうよ。


そんなことできないくせに、強がる俺は本当にどうしようもないくらい弱いやつなんだ。