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第10話

隠し事
                                                                 Hokuto side


今日は週に6回のバイトの日。落ち着いた雰囲気のカフェで、静かな空間が好きな俺にとっては絶好のバイト。4年間勤めていることもあってマスターの髙地くんと一個上の新山さんとは冗談も言い合える仲にまでなった。
あまり人付き合いが得意な方ではなくて友人と呼べる人は2人しかいないけど、この2人は別で俺の兄貴姉貴みたいな存在。

「北斗くん最近楽しそうだけど、何か面白いことでもあった?」

コーヒーカップを丁寧に拭いていると俺にだけ聞こえる声で新山さんが話しかけてきた。

「楽しそうに見えます?俺」

新「4年前に比べると、明るくなったように思うな」

「友達に面白い奴がいるんですよ」

新「今度そのお友達連れてきてよ?私も会いたいな」

「騒がしいんでちょっと…」

新「じゃあさ、今度の日曜日「北斗!会計まわって!」

新山さんが何か言いかけたと同時に髙地くんの声が被さる。「はい、今行きます。新山さん、お話しの途中すみません。後で続き聞きますね」

拭き終わったコーヒーカップを元の場所に戻してまだ何か言いたげな表情をしている新山さんを残して会計場所へと向かった。


結局あの後新山さんとの会話の続きはできないまま帰宅して今に至る。

4年前に借りたこのアパート。おんぼろで、狭いけど家賃が安くてここにした。どうにかアルバイトを必死でやって、生活費は繋いできたけど正直きつい。
それに秋頃から改築工事が始まるらしいから一時的に住む場所を見つけなきゃいけない。

どうしてこうなったのか慎太郎にはちゃんと言えてないけど、俺には家族がいないんだ。4年前からずっと。