──烏野高校 春──
『……一色あなたです、よろしく。』
私は烏野高校へと転校した。
先生が勝手に学校案内の人を決めていて、確か…"菅原"って言っていた。
だけど、昼休みに勝手にブラブラして探検するから、断った。
烏野は青城と違って学ランで、少しかっこいいと思ったのは秘密だ。
先生の話を一通り聞いて、休憩時間になった。
正直寝たかったけれど、質問攻めをされて寝れなかった。
MOB「彼氏いる?」
『いない。』
MOB「好きなスポーツ!」
『全部好き。……強いて言うならバレー。』
バレーって言った時、菅原って呼ばれてた人が反応した気がする。
烏野ってバレー部あるのか。
そういえば、隣の席は菅原って呼ばれてた人だった。
すごい偶然だ。
???「お、よろしくな〜!」
『よろしく。』
菅原「俺、菅原孝支な!バレー部!」
『…あー、そっか。』
バレー部あったわ。
まあその日は何事もなく過ごせた。
昼休みにフラフラ歩いてて、なんかすごく見られた気がするけど。
帰りにぼーっとしてたら周りは誰もいなかった。
『(帰ろ。)』
と思ってカバンを持ち上げると、菅原の机の上にプリントが置いてあった。
よく見て見たら、大事なプリント。
なんで机の上にあるのに忘れるんだと思ったけど、しょうがなく届けに行くことにした。
確かバレー部とか言ってたから、きっと体育館だ。
バレー部となると及川達を思い出す。
また会いたいなぁ。
なんて思ったりもしながら、体育館に行った。
案の定バレー部がいて、その中に菅原がいるのを確認した。
『菅原ー』
と呼びかけると、菅原と菅原が話していた数人が振り向いた。
菅原「あ、あなた!」
急に名前で呼ばれてびっくりもしたが、菅原が駆け寄ってきたので、プリントを渡した。
『今手元にカバンあるか分かんないけど、机の上に置いてあった。大事なプリントっぽいから持ってきたけど。』
菅原「あ!ごめんありがとな!」
『あ、うん。』
まあ関わりたくないからすぐ離れたいんだけどね。
???「スガ、その子誰だ?」
???「びっ美人……!!」
個性強そうな人達に絡まれてしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。