前の話
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好きとか、嫌いとか、もう分からない。
きっと、君の大っ嫌いを裏返しても、大好きには変わらない。
だって、嫌いの反対が必ずも好きとは限らないから。
!??私に話しかけてる?…
よし!ここは、
なーんて言えたら…。
てか、言わないとぉお、ぁあ。
また、同じ結果になる…。
強い口調に、がっしりとした見た目、偉そうで、前髪が長く、目つきが悪い。
そして人を近づかせないだろう、その雰囲気。
そいつは、しっかりと私に指をさし、睨んでいる。
でも、今日から私は変わるんだ。だからっ…
あーーー。無理無理無理!!
ぜーったい無理………。
こわいよっ。。。
自分が変わるのも、こいつに反抗するのも…
ど、どいてしまった…。
結局、またこの結果だよぉ…。
高校生デビューとか言って、わざわざ家から遠い高校に通うことにし、イメチェンしてきた努力した意味が無い。
中一で、見た目が地味と言うだけの理由でいじめらてきた私。
でも、中二から、話を合わせて下っ端にでることによって、少しだけ友達の輪に入れた。
でも、こんな自分はやめようって、思ったのに。
下っ端は、奴隷は、……。
なのに、自らどいちゃうなんて!
そんなネガティブな私をスっと吸い込むぐらいの
イケメンだった。
話しかけてくれた子は、茶髪で、その隣は金髪。
いかにも目立つ、イケメンの二人。
てか、悪いのはさっきのアイツなんだから、
この2人に、謝ってもらうのは申し訳ない…
そういった私の頭を、茶髪くんはポンポンっとなでると、2人で目つきの悪い男を追いかけていった。
思わず、イケメンって、声に出しちゃうくらいイケメンだった…。
てか、……ん?
今、思ったけど、あの制服、私と同じ高校…
わぁぁあ!!!
でも、ここから、本当に私の恋が始まるなんて、
このときは思いもしなかった。
きみのとなりに居たいなんて──────。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!