第2話

“お前”の価値
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2019/03/04 09:25
『まーくん…おはよ!』


「…」


その日から君は私と話さなくなった。


『まーくん…何で無視するの?』


「もうその呼び方やめろ。」


『ま…眞菜都(マナト)、一緒に帰ろ?』


「名字で呼んでよ。何で一緒に帰るの?」


『お、幼馴染みだし…家隣だし…!』


「俺は、お前と話したくない。」


お前…?? そうなんだ。もう“お前”なんだ。


『ご、ごめん。』


私は耐えきれなかった。

その日から私は学校に行かなくなった。

“不登校”ってやつだ。

その日から、まーくんに会っていない。

顔も見たくない。

思い出すだけで頭が痛くなる。

あと少しで中学生になる。

…中学生になったら学校に行こうと思ってる。

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