1月、冬
放課後、私は当たり前かのように美術室へ向かう
部員は私を入れて、三年生一人、二年生二人、一年生二人と先生一人だけ
廃部になりかけていたが何とか四人集めることが出来た
ある意味凄いよね
だがもうそんな事関係ない
私はもうすぐ卒業する
きっと来年には美術部は無くなるだろう
皆私が無理矢理入れたような物だから
残りの時間出来るだけ沢山の絵を書こう
そんな事を思いながら私は教室のドアを開けた
この時間本当なら部活をしているのだが
この部屋は私以外誰も居ない
そんな事は珍しくはなかった
≪無理矢理≫入れたから
当たり前か
私は絵が描けるならどうでもいい
私はいつもと変わらず絵を描き始めた
サーーーーーーーーーーーーーー………………………………
しばらくして風が吹いてきた
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そこで窓が空いている事に気づく
私は窓の近くに行き遠くを眺めた
ここは三階で、一番端の教室
回りには低い建物しかないため風が良く通る
本当は寒いはずだが、夕焼けが差し込み暖かい
こんなに暖かいんだなと実感した
キーンコーンカーンコーン
下校のチャイムが鳴った
私は窓を閉め、荷物をまとめて、美術室を出た
鍵をしっかりと閉め静かな廊下を一人に歩いていた
コツコツという音が廊下に響く
また明日も絵を描こう
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。