泣き噦る私の背中をさすってくれるトガちゃん、何も言わずに私の隣にいてくれる荼毘くん。
マジで、アイツ殺してやる。
けど、アイツの個性強いから私自身がもっともっともっと強くならないといけない…
弱い個性でもいい、地味な個性でもいいから個性が欲しかった。
個性で、皆の役に立ちたかった。
皆の力になりたかった。
けど、今の自分はお荷物でしかない。
ツライ。皆の役に立てなくて。
ツライ、ツライ。皆のお荷物でしかなくて。
ツライ、ツライ、ツライ。無力の私。
私をこんなのにさせたのは、アイツらだ。
アイツらの、ことを忘れたらツラクナクナルカナ?
私は、頭に手を突っ込んだ。
私の手は、頭に入った。
私は、頭の中から皆達との記憶以外消去した。
恵は、ツライ気持ちから発現した個性。
その個性は、『メモリー』。
記憶に関する個性だ。この個性は、うまく使えば強力な力になるだろう。
個性で、母と妹との記憶を消しツライ気持ちがなくなった恵は性格が一変し明るい子になった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!