第4話

第二章(1) 謎の女の子
56
2021/09/20 04:06
???
………きて
あなた
………………
???
お……きて
あなた
……………?
???
……おきて
あなた
…………ん?
意識がもうもうとするなか

小さな女の子の声がした

それに気づき

私は体を起こす

女の子はフードを被っており

顔が良く見えない

見える物と言えば

静かに笑う白い歯ぐらいだ
あなた
だっ、だれ?
私は確か下敷きになって…………
あっ、あれ?
おかしい

体に痛みが無い

それどころか傷も、痣も無い

学校も………だいぶ変わっている

あんなに古臭かった見た目の校舎は

まだ少し古いが、さっきより新しくなっている

窓のひびなども減っており

私は自分の目が信じられなくなった
???
おちついて、あなた
あなた
なっ、なんで私の名前を………
???
あなたのことはよくしってる
わたしがいちばんね
女の子はそれだけ言うと

私から少し離れ

笑みを向ける

私はそれに恐怖を覚え

すぐにリュックからスマホを取り出す
???
むだだよ?
???
ここはでんぱもとどかないから
あなた
……………!!
本当に…………なんなのこの空間

電波が届かないどころか

時間が夜の11:53で止まってる

ここに……………時間は存在しないのか?
???
こわがらせてごめんね?
あなた
……………あなたは誰なの
???
わたし?
???
んー…………そうだなぁ
???
サクラってよんでいいよ
あなた
「サクラ」……………!
私はその名前を聞くと

あの手紙を思い出した

あの手紙を………書いた人物なのか?

私は聞きたい事がたくさんあったが

まずはと、状況確認を試みる
あなた
…………ここはなんなの?
サクラ
ほんとにおぼえてない?
サクラ
あなたがちいさいころよくきてたのに
あなた
…………やっぱり私に関係があるのね
私の勘は当たっていた

どうにもここの学校には何かを感じる

そして、あのポスターも…………

もしあのポスターを張ったのが私なら

だいぶ昔からここにお世話になっていたのだろう
あなた
ここから出るにはどうすれば良いの?
サクラ
でる?
サクラ
あのてがみにかいたとおり、このがっこうをしらべてくれたらかえしてあげる
ドアは黄色いテープで張り巡らされており

外から棒のような何かで押さえつけられている

出るには…………言うことを聞いた方がいいのか

いや、まずこの子は私の味方なのか?
サクラ
みかただよ
あなた
……………え?
心を読まれた…………?

いや、そんなはずは……………
サクラ
わたしはあなたのこころがよめるんだ
あなた
!!
サクラはそう言うと

少し面白そうに私を見つめる

びっくりした顔が…………おかしかったようだ
サクラ
おどろかせてごめんね?
サクラ
でもほんとうにわたしはみかただよ
あなた
…………………
信じたくないが

ここでは信じるしかないか…………

早くここを出たいし

早く帰りたい

今は手段を選ばずに進む方が手っ取り早い

……………………この子を信じてみよう
あなた
……………分かった
あなた
で?これからどうすれば良いの?
サクラ
んーっと、まずはせんせいのおへや
先生のお部屋…………職員室か

サクラは地図を見ると

手に持っていた赤い色鉛筆で職員室を囲む

職員室は…………廊下の一番奥か
サクラ
さぁ、いこ
あなた
…………うん
私は懐中電灯を照らしながら

長い廊下を歩いた

…………廊下の途中には

人が足掻いたような血の跡がついていたのに

私は気を失いそうになった

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