🐰side
ホテルを出てジミニヒョンたちと別れた俺たちは、大きな公園へやってきた
どうして別行動にしたのかって?
そこは言わなくてもわかるでしょ、テヒョンアと2人きりになりたかったの
公園の中心にある大きなオブジェ
それはうさぎとくまがふたつ並んでいるもの
見つけた途端、走り出したテヒョンアを
慌てて後ろから追いかける
実はあのオブジェ、俺が特別に用意したんだ
なんてったってテヒョンアの誕生日だからね、予算は上限なしで用意したんだ
テヒョンアの誕生日に何かしてあげたいと思っていたけど
プレゼントをあげたり、高級レストランに行ったり…大抵の事は全てやってしまった
そこで今回、こんなサプライズを用意してみた
まぁ、あっちの時間ではまだ誕生日じゃないんだけどね
この旅行に合わせて急いで用意させたんだ
さすが、なんでもできるな俺って
転ばないか、ヒヤヒヤしていると
突然ピタッと動きを止めて、俺の方へ振り返った
テヒョンアの手をぎゅっと握って、引き寄せる
テヒョンアは大きく目を開いて、びっくりしているみたい
そうだよね、急にこんな事言われたらビックリするよ
でもこれは俺が心から思っている事なんだ
本当に、俺たちは沢山のことを乗り越えてきたと思う
もうだめだって思ったことも、一度や2度じゃない
膝を着いて、ポケットから箱を出す
お願い、どうかテヒョンアの残りの人生を俺と歩んで欲しい
俺ってどこまで独占欲が強いのかな…
たまにね、他の誰かがこの座を狙ってるんじゃないかって怖くなるんだ
だから、この指輪で周りに見せつけてほしい
キムテヒョンが、一体誰のものなのかを
俺を見つめるテヒョンアの瞳に、うるうると涙がたまってくる
信じられないって顔してるね。でも信じて、テヒョンア以外に有り得ないから
ぐすぐす、子供のように泣き出した
何も心配いらないよ、テヒョンア
テヒョンアはただ幸せになることだけ考えてくれればそれでいいんだ
他のことは全部、全部俺がやるからさ
大きな公園の中心、うさぎとくまのオブジェの前
テヒョンアをぎゅっと抱きしめた
そして、俺たちは夫婦になった
まだ泣いているテヒョンアの頬に手を添えて、ちゅっとキスをする
周りの人達はおめでとう、と声を上げ拍手をしてくれた
🐰🐻
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。