今、なんて言ったんだ…?
ユンギから手が伸びてきて、抱きしめられる
人前で、しかもユンギから抱きしめられたことはほとんど無いから
嬉しさと戸惑いが、僕を支配した
肩に手を置くと、震えているのがわかった
自ら僕の元を離れようとした、けど
僕のことが好きすぎて、離れることはできなかった
あんまり可愛いとさ、僕の心臓が止まっちゃうんだよ
ねえユンギヤ、知ってた?
僕もね、お前のことが好きすぎるんだよ
だからさ、そんなに可愛いことされちゃうと
今すぐ食べたくなっちゃうじゃん。
僕の声はちっとも耳に入ってないみたい
僕がここにいることを確かめるように、背中を撫でるユンギの手
ユンギがいなくなってどれだけ心配したか
けど、こんなに可愛い姿を見ちゃったら
怒るも何も、できなくなっちゃったよ
僕って、ユンギには甘々なのかもしれない
僕たちは今外にいて、人の目はある
まあ誰も僕たちを見ていないところ、さすが自由の国は違うなぁ。
僕の声にやっと顔を上げたユンギは、ボロボロと涙を零しながら頷いた
そう尋ねたけど、何も言わずに
顔をぐりぐりと押し付けられて、まるで笑ったことを怒ってるみたい
頭をぽん、と撫でると動きは止まって
真っ赤な二つの瞳が僕を見上げた
早く…って、何の話だろう
まさか、ここで…?
そうだよな、まさかここでなんて…
そうは言ってもユンギヤ、部屋に戻るには
ユンギが僕の上から移動してくれないと、立ち上がれないんだけど…?
返答はなく、そろーっとユンギの腕が首に回ってきた
僕の首筋に顔を埋め、動かなくなったユンギ
その後、ユンギを抱き上げ部屋へと向かった
🐹🐭
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。