私はみんぎゅとのカトクを開いたまま、
うぉぬの部屋に飛び込んだ。
うぉぬの低い声が私を制した。
ドキリとする。
.
さあっと血の気がひく。
今うぉぬは、なんて言ったの?
私はうぉぬを失いたくない。
私はそう言ってうぉぬの肩をゆさゆさ揺すった。
するとうぉぬとぱっちり目が合った。
優しい声で私を突き放してくるうぉぬ。
私はうぉぬのこの冷たい瞳を見たことがある。
これはうぉぬが寂しくて辛い時のサイン。
なんで……………
そう言ってうぉぬは私を部屋から追い出した。
なんだ、うぉぬは本当に浮気してるんじゃん。
だってそうじゃなきゃ私を悪者にして別れようなんてしないもん。
私はこんなにもうぉぬが好きなのに…………
なんで………なんで別れなきゃいけないの?
うぉぬに私より大切な人ができたの?
うぉぬも、みんぎゅも、みんな嫌だ。
みんなみんな…………
私は声が枯れるまで泣いた。
自分が泣くのに必死で、他の音なんて聞こえなかった。
私の泣き声に小さなすすり泣く声が混ざっていたことも。
NEXT→
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。