第18話

17:ちゃみんの受難 Part2
965
2022/04/01 13:51
あちゃみside

今の時刻は予想通り日を越した午前2時

そして場所は家までの最寄りの駅を降りたところ
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……はぁ
疲れた。単刀直入に言うとそうだ

もちろんこんな時間まで働いてたら疲れるが、それだけでは表せれない疲労が溜まる

今日も、言われた

『橙くんはいい意味で子供っぽいよね』

『なんだか先輩って私より年下みたいで可愛いです!!』


いい意味って何?

私はれっきとした大人なのに、もう子供じゃないのに

私がしている事はそんなに子供っぽい?

私は頼りない?大人になれてない?

疲れた体と脳ではポジティブな方向には行けなくて

疲れたとか、嫌だとか、ネガティブな感情がぐるぐる渦巻く
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……私は、世間知らずなの?そんなに子供っぽい?
高校生の頃、一時期友達だった子に言われたことがある

『麻美は子供っぽいから隣に居ると恥ずかしい』

それ以降遊ばかなくなったし口も聞かなかった

そして高校卒業後から疎遠になり、もう話さなくなって何年か数えるのもめんどくさくなってしまった
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……隣にいると恥かしい……か
もうあの子の事は思い出さない

当時は悲しかったけど、今では別にどうも思わなくなったから

ただ

隣と聞いて思い出す人が一人いる
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……がっちゃんも、恥ずかしいのかな
1人夜道でそう呟く

がっちゃんは冗談はすぐ口にするけど、本音は凄く優しいから、私に合わせて言ってないだけかもしれない

私はがっちゃんやみんなの前では私で居られるけど、みんなは……がっちゃんは、それを恥ずかしいって思ってるのかな
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……おかしいな、そうだったらみんな普通で当たり前なのに……
涙がボロボロこぼれてしまう

堪える気になれないのは誰も居ないからだろうか
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……っぐすっ……うぅ……
嗚咽も堪えずに零す

こんなとこ、誰にも見せれないからこんな時くらいは思いっきり泣いてしまう

ゴシゴシと手の甲で涙を拭って歩き出す

早く帰らないと、がっちゃんが待ってる
〜家の前〜
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……はは、酷い顔
家の前で鏡を見る

その鏡に映った自分の顔は酷かった

擦った目は真っ赤で、髪もボサボサ、表情も硬い

髪は整えて、表情もできる限り自然を意識する

……目はもう無理だけど
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
どう言い訳しよっかな〜……
地雷メイクしたー!!とか……?はは……
それじゃあ明らかに怪しいか、なんて1人で突っ込む

……寂し

そんなことを考えながら家のドアを開けると

そこには
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……がっちゃん……?
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
ちゃみん!!おかえり!!
がっちゃんが仁王立ちしつつ居た

急な明るい場所に目が眩む

パチパチと瞬きをしながらなんでここに……?と聞こうとしたが、がっちゃんの声によって遮られた
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
ごめんね
まさかの第一声が謝罪で頭にハテナを浮かべる
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……なんでがっちゃん謝るの!?w
私何か怒ったっけ?
そう明るく言いながら悩むふりをする

いつも通り……いつも通り……

そう考えながら玄関に上がると、すぐさまがっちゃんの香りがふわっと広がって香る

抱きしめられてる

そう理解すると急に顔が真っ赤になった
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
がっちゃん!?
ここ玄関……!?
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
ごめんね、ちゃみん
俺ちゃみんに気づけれなかった
ちゃみんの悩みに、気づけれなかった

がっちゃんはそう言い私をより一層抱きしめた

……そう言ってる時点で気づけてるじゃん


収まったはずの涙がまた零れてきた
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……な、んの事……?
私は、だいじょうぶだよ……
声が満足に出せれない

ただ途切れ途切れになりつつそう否定すると、またより一層ぎゅっと抱きしめられた

そろそろ苦しいな。なんて思っていると
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
ちゃみん、我慢してたんだよね
子供っぽいって言われるのをさ
がっちゃんにそう言われて頭が真っ白になる

やっぱりがっちゃんは気づいてくれた

気づいてくれたけど、気づいて欲しくなかった

やっぱり
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……も……だ……?
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
え?
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
がっちゃんも……嫌だった?
私の隣に居るの……恥ずかしかったの?
嫌だ。恥ずかしかったなんて言わないで

お願い、とただ心の中で願う

言われたら私…………
赤城 友〈赤髪のとも〉
赤城 友〈赤髪のとも〉
思うわけないじゃん
しかしがっちゃんは私の想像を軽く超えて言った

優しく、でも芯がある声で

今のがっちゃんは嘘なんてついてない。そう思えた
涙が零れてきた

どんどん零れて、がっちゃんの服を濡らしてしまう

ごめんね。なんて思いつつ行動は反対に涙を染み込ませるように抱きしめていた

がっちゃんも今だけは優しく頭を撫でてくれた
〜次の日〜
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
んぅ……?
目を覚ますと、そこはいつもの寝室ではなくリビングのソファーだった

起き上がって少し伸びをする

するとキッチンの方からアイクさんがやってきて
青山 藍久〈アイク〉
青山 藍久〈アイク〉
あちゃみさん、おはようございます
と声をかけた

私もおはようと声をかけつつ
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
どうしたの?
てかなんで私ここで……
そう疑問に思っていたことを口に出すとアイクさんは苦笑しつつ
青山 藍久〈アイク〉
青山 藍久〈アイク〉
いやぁ……自分はちょっと早く起きてしまったので珈琲でも飲もうかと思ってたんですけど、まさかリビングに来たら2人が……ねぇ?
吃驚しましたよ。と何だかはぐらかすように言う

なんでそんな曖昧なんだ……?と思っていると、昨日の事が急に頭に入って来た

そういえば昨日、がっちゃんに知られて、泣いて、そのあと……どちらからともなくキスをして……

そして……なんてその先は思い出すのも恥ずかしかった
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
あっ……!!!/////
青山 藍久〈アイク〉
青山 藍久〈アイク〉
ふふ、大丈夫ですよ
大事なとこは隠れてたんで
まぁ下着だけですけどね。では自分はwatoさんを起こしに行きます

そう言いながらアイクさんは飲み終えたカップをシンクに置き、そのまま上がって行った

どうやらwatoさんを起こしに行ったのだろう
ふと自分の体を見ると、本気で下着以外に何も着てなかった

それを知った瞬間にすぐさま近くにあるパーカーを掴んで着た

このパーカーはがっちゃんのだが、今更どうでもいいと言うように着替える
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
そういえばがっちゃんは……?
と辺りをキョロキョロすると、ソファーの少し先に雑魚寝をしているがっちゃんが居た

がっちゃんもまた上半身裸で寝ていて思わずタオルケットを投げてしまった

顔が真っ赤になってしまう

顔を手で覆いつつ、その顔の赤さや暑さを何処へやろうか

しかし
橙 麻美〈あちゃみ〉
橙 麻美〈あちゃみ〉
……ふふ……
嬉しい。そう思ってしまうのは

私が子供だろうか

もしそうだとしたら

それだけだったら子供って言われるのも、ありかもね

なんて思った午前7時だった
〜あとがき〜
苗代(作者)
苗代(作者)
ども!!苗代でございます!!
苗代(作者)
苗代(作者)
なんだか最後はこじつけ感ある気がしますが許してください((締め方がわかりませんでした((
苗代(作者)
苗代(作者)
次は初のリクエストシチュを書いていこうと思いますので、ぜひお楽しみにしていてください!!
苗代(作者)
苗代(作者)
感想や考察等をコメントしていただけるととても嬉しいですので、お気軽にコメントしてくださいね!!
苗代(作者)
苗代(作者)
よろしくお願いしますm(*_ _)m
苗代(作者)
苗代(作者)
それでは

おつなわ!!

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