バステンside
今日はともさんとあちゃみさん、そしてソーラさんと一緒にゲームセンターへ来ている
まぁ、所謂ダブルデートだ
ほかの4人は仕事で居ないため、この4人で出かけようと言う訳
ゲームセンターは涼しくて
外でかいた汗がすぐに引いていくようだった
女性ペアは先にゲームセンターの中へ入り
僕ら男性ペアは後に入った
ともさんは肩をグルグルと回しつつUFOキャッチャーの方へ歩いていく
絶対に失敗するだろうなぁ
なんて思い、少し弄ってやろうかなとともさんについて行く
っとその前に
流石に居場所くらい聞いておかなければいざと言う時に困るだろうと思い立ち、先を歩いている女性陣に聞く
2人はうーんと唸ったり、どうしようかーと少し話したりすると
そう俺に言う
そんな風にはにかむソーラさんが可愛くて
チュッ
頬に小さなキスを落とした
顔を真っ赤にしつつ頬に手を当てるソーラさんがさっきよりも可愛くて
緩んだ口角が戻らないことを感じた
見ていたあちゃみさんもそう茶化す
だって公共の場であんな可愛い顔するソーラさんが悪いんですもん
そのまま俺はともさんを追いかけるべくUFOキャッチャーの方へ小走りで行った
ーーーーーーーーーーーーーーー
そういうともさんはなんだかしょんぼりとしていて
その手には財布が虚しく握られていた
ああ、そういうことか
そう言って怒られるとでも思ったのか、さらにしょんぼりと項垂れたともさんがあまりにも可哀想に見えて
そう指さすともさんの指の先には
マインク〇フトの敵キャラである緑色の匠のぬいぐるみが入ってあった
大きさはちょうど抱き枕程度、結構大きなぬいぐるみ
それは5回動かされて、あともう少しで取れそうというところだった
そういうことか
そう思うと俺は財布を取り出して100円を出す
そしてそれをともさんに渡し
そう言いすぐさま近くのUFOキャッチャーへ目を向ける
ともさんの事だからきっと「いや迷惑でしょ」と言い返してきそうだから、もう返す余地を与えない
これでも10年近くの付き合いなんでねっ!!
ともさんは諦めたのか、それを機会の中へ入れて、真剣な顔でぬいぐるみとにらめっこをする
俺も何かソーラさんに取ってあげよう
そう思い、近くにあるUFOキャッチャー台を眺めて回った
そういい目の前の台を見つめる
それはスマホケースが2つで1つのUFOキャッチャーだった
しかも今出されているのは可愛い花のスマホケース
色味はそれぞれ黄色とピンクを基調としている物
これは運命だな
直感的にそう思い、その台にお金を100円入れる
軽快な音楽と共に光るボタン
それを押しながらアームを動かしつつ、ここだと思ったところでアームを下に下ろすことを支持するボタンを押す
そのままアームは降り、スマホケースの隙間を通って掛け、スマホケースを持ち上げた
アームはスマホケースを持ち上げたまま入口まで戻ってきて、アームは開きスマホケースがゴトっと落ちる
まさか1回で取れるとは思ってもみず、すぐさまスマホケースを取った
俺がそう呟いていると
智さんの雄叫びのような叫び声が真後ろで響いた
咄嗟に耳を押え
と聞き後ろを振り返るとさっきのぬいぐるみを抱きしめたともさんが居た
その顔はさっきとは打って代わり満面の笑みで
ともさんはそれを抱きしめながらぴょんぴょん跳ねるように喜んでいた
ともさんはそういいえへへと匠のぬいぐるみを大切そうに抱きしめる
そんな健気なともさんを見ていると弄りたくなって
と少し小突くとともさんは顔をバッと赤くして
そう率直に言う
するとともさんもニマーッと笑いながら
そういい「ういうい」と肘をつつかれる
まぁ、確かに
と普通に言う
だってホントのことだもん
そう考えていると隣からはぷしゅー……と音が鳴りそうなほど顔を赤くしているともさんが
と言いあははと苦笑している
俺はその意図が分からず頭にハテナを浮かべて
ともさんはそんな俺を見兼ねて早口でそう言いサッサと歩いていく
俺は苦笑しつつ、やっぱ俺もともさんも彼女の事を愛してるなぁなんて呑気に思いながら
とまるっきり反対方向を歩いている彼に報告をした
〜あとがき〜
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。