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キーンコーンカーンコーン、と
去年同様変わらない(当たり前)チャイムが鳴り
みんながゾロゾロと席に着く。
神山くんが前で…あ、後ろの小瀧くん。
あらら、お顔が良いこと。おほほほ。
でも私元から知り合いじゃないよね?
それじゃあ有名人か何かなのか????
ジッ、と小瀧くんの顔を見つめる。
小瀧「…あの、どうした?(笑)」
『いや、お顔が素敵だなと』
小瀧「はあ、どうも、、、(笑)」
『それより小瀧くん』
小瀧「ん?」
『私とどこかで
フォーリンラブしたことある?』
小瀧「、、、は?」
『おっと、言い方間違えちった。
どこかで運命的な恋煩いしたことある?』
小瀧「ごめんもっと意味分からん」
『いやあさぁ、、、
小瀧くん有名人かなにか?』
小瀧「いや普通に一般人」
『じゃあなんでだ、、、?』
小瀧「なにがやねん、、、?」
朝にあこが言ってたことが気にかかる。
「小瀧くん知らないのは相当やばいよ」って。
だって知るわけないじゃん!!!
今初めてお喋りしたもん!!!!
櫻○翔レベルじゃないと世間様は知らないよ!!
なんて思ってると頭に強い衝撃がした。…出席簿?
『いった、、、』
「川瀬さん?前向いて先生の話聞こうな?」
『、、、誰ですか?』
「誰ですかぁ?!桐山先生ですぅ!!!
ここのクラスの、君の担任です!!!!」
『…あぁ!!!バレンタインに
濱ちゃん先生から育毛剤もらった人!』
桐山「誰がハゲや」
クラスにドッと笑いが起きる。
なんでみんな笑ってんのかよく分かんないけど
あこが大爆笑してるから良しとしよう。
神山くんの笑顔も天使だ癒し、、、
だが1番前の席でうるさい笑い声してる奴は
気にくわん、…誰だっけ、あ、そう重岡くん。
桐山「はぁ、、、もうええわ。
とにかく自己紹介し、川瀬さんの番やから」
『え?自己紹介?』
神山「もう俺終わったから、川瀬さんやで」
『嘘、神山くんもう終わったの?!
聞いてなかったもう一回して?』
神山「なんでやねん(笑)」
桐山「はよして!」
『はぁいっ、!!!川瀬あなたです!!!!
運動しかできません勉強出来ません!!!
うるさいだけですがみんなよろしくです!!』
そう言って思いっきりお辞儀をすると
勢いよく机に頭をぶつけて鈍い音がした。
クラスは時が止まったかのように静かで、
あれ?なに私時かけ少女にでもなった?!
なんて、新学期早々やからしたおもひで、、、。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!