第15話

誕生日
372
2019/03/31 10:17
★午後四時

ピッタリの時間に到着する私。

やっぱり完璧だわ〜。←

体育館を除くと、カーテンも閉められて中は真っ暗。
ユナ
ユナ
あの〜、暗いんだけど。
私の声が、広い体育館に響き渡る。

すると、私の立っていたところから真ん中のところまで、

青とピンクに光るイルミネーションライトが道を作っていた。
ユナ
ユナ
え、なにこれ。
歩いていいのかな?
ゆっくりと真ん中まで歩いていく。

ちょうど真ん中に来ると、電気がついた。

目の前にはチョンが立っている。
ユナ
ユナ
な、なんでここにいるの?
チョンは自主練って…。
グク
グク
ユナ、HAPPYBIRTHDAY!!
チョンはそう言うと、私を抱き上げてクルクルと回った。

小さい私には、背の高いチョンが抱き上げて見せてくれた景色は

新鮮なものだった。
ユナ
ユナ
ちょ、落ちる。
グク
グク
ユナ、正面見てみ?
正面には、《ユナ HAPPYBIRTHDAY!!》と書かれた紙が貼ってある。

周りを見渡すと、プレゼントの箱や風船などで飾り付けされていた。
ユナ
ユナ
なに…これ。
あなた

ユナ〜!HAPPYBIRTHDAY!

ジミン
ジミン
誕生日おめでとう!!
あなたとジミンが出てきた。

チョンは私を下ろすと、話し始めた。
グク
グク
結構前から計画してたんだ。
あなたが、ユナの誕生日はどうしても豪華にしたいって。
それで、俺とジミンが主な計画をたてた。
ユナ
ユナ
自主練は?
グク
グク
あんなの嘘だし。
彼女の誕生日に部活なんて
やってられるかよ。
嬉しくて泣きそうだった。

チョンが彼女って認識してくれているのも、あなたとジミンが

お祝いしてくれたのも。
あなた

ちょ、ユナ?

ジミン
ジミン
嘘でしょっ!
グク
グク
バカ、泣くなよ…。
泣きそうだったじゃないね。

泣いてたね。

そんな私を、チョンは優しく抱きしめてくれた。

いつもの意地悪なチョンじゃないみたいに。←
グク
グク
HAPPYBIRTHDAY、ユナ。
ユナ
ユナ
ちょ、耳に息かかってる!!
狙ったな、コイツ。

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