第16話

続き☆。.:*・゜
16
2020/03/27 12:49
生口優太
生口優太
やめろっっっっっっ!!
どれほど大きなこえだっただろうか。
ビクッと肩を揺らし、ぱっと腕を離す彼女。
目を大きく見開いて、腕を上げたまま固まる彼女。
焦ったとはいえさすがに大声を出しすぎた。
生口優太
生口優太
ごめん。
しゅんと頭を下げる僕の頭に彼女が手を伸ばす。
でも、さっきのように、また僕のせいで彼女が声を出そうとするのが怖くて…


反射的に僕は彼女の腕を避けた。
生口優太
生口優太
あ…
手を膝の上にサッと戻し、涙を浮かべて黙り込む彼女の姿…
とてつもない罪悪感に襲われて、ここにいることが苦しくて、
生口優太
生口優太
ごめん。
と一言残して滑り台の階段をおり始めた。

夕日が沈み始め暗くなってきた世界が妙な悲しさを漂わせる。
滑り台の上に座ったままの彼女の姿を見ることも諦め、振り返ることも無く一段一段降りていく。







僕は最低だ。

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