しばらくすると眼鏡をかけ、白衣をみにつけ、50歳後半くらいのいかにも医者という感じのおじさんが出てきた。
などと質問をし、机に向かって紙に何かをメモした。最後に
と聞かれた。薬は苦いし後に残るし飲みにくいから苦手だ。錠剤は飲み込むのが怖いしずっと舐めていたら苦くてまずい。かと言って粉薬は水で流し込もうにもパサパサとした感覚と共に口の中に苦味が残る。何となく僕はゴミが出にくいことと、早く飲み込んじゃえばさほど苦くはないというメリットで錠剤を選んだ。
そう言ってドアから出、薬を貰うためソファに腰掛けた。すると、何度見てもドキッとしてしまう美しい容姿の見慣れた少女、春野さんを見つけた。彼女も診察室から出てきたところだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!