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第10話

2日目ー午後ー

陽葵が叫ぶと、陽葵の黄色の立方体が弾けた。

キラキラと光りながら
魔法のように空気に解けていく

陽葵は突然の出来事に呆然としながらも
崩壊していく立方体に負けず劣らず
キラリと光っては落ちる大粒の涙を流した

その光景に目を奪われていると
侑紗は陽葵の叫びに答えるように続ける

「そっかそっか…♪
じゃあ…私の話も聞いてくれる?」

「も…もちろんだよ!」

「私…はね?お母さんのお人形さんなの。」

「人形…?」

「そう、着る服も本も習い事も学校も
ぜーんぶお母さんが決めて、その筋書から
脱線しないように言いなりになってきた…」

「そんな…」

「うん、でもやっぱりこんなの違うよね?」

「う…ん。辛くなかったの?」

「…わからないんだよね。
辛いのかなんなのかも、小さい時に習い事に
行きたくないってぐずったらとんでもなく怒られて
怒られるのが嫌で自分の意見とか押し殺してきたら
自分が今どう思ってるのか…とか
だんだん分からなくなってきちゃって…」

「そんなの…侑紗ちゃんが可哀想だよ……」

「そうなのかな?…ふふっ…わかんないや…」

侑紗はそう言って笑いながら涙を流した
すると、侑紗の藤色の立方体に蜘蛛の巣のように
音をたてながら亀裂が入る

「侑紗ちゃんは…侑紗ちゃんは、どうしたい…の?」

「私は、自分の感情を押し殺さないで
自分の意見を言えるようになりたい…
たった1回の人生を…他の誰かのために
台無しにしちゃうなんて勿体ないもん!」

そう叫ぶと侑紗の立方体も陽葵と同様
弾けてはキラキラと瞬き、宙に解けていく。

外に出た陽葵と侑紗はお互いの決意に
健闘を祈るように、辛い過去を慰めるように
4つの立方体の真ん中で泣きながら抱き合った

それを見て拓磨が立ち上がって

「なーんだ、まさか陽葵と侑紗に先に脱出されるとは
思わなかったな〜?…でも、お前らのおかげで
俺も勇気でたし、脱出の方法も分かったぜ
ありがとな!俺の話も聞いてくれる?」