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第12話

2日目ー午後ー

陽葵、侑紗、裕翔に拓磨が立方体からの脱出をはたし
立方体に閉じ込められているのは2人になった
残された2人に向かって裕翔は

「さーて、清香、蒼葉?
2人はどーするの?そこで引きこもってる?」

と、少し挑発的に言った

「う…うるさいわね!
そんな簡単に正直になんてなれないわよ!」

「弱みさらけ出すとか拷問だろ」

「それは…そうだけど……」

そしてまた静かな時が流れる

ふと、清香がうずくまってぽつりと呟いた

「あたしだって…正直になれたら…」

「清香…」

「清香ちゃん」

「正直になれたら、苦労なんてしないわよ。」

「ここには誰も清香の事で笑うやつなんていねーよ
裕翔がいってたよーに俺らの共通点は
きっと何かで自分を塞ぎ込んだって点だ。
今まで誰にも言えなかった事があるんだろ?」

拓磨の言葉に、清香は静かに雫をこぼしながら

「本当に…笑わないでしょうね。」

「誰も笑わねぇよ。」

その答えを聞いて、清香はゆっくりと大きく
深呼吸をしてから口を開いた。

「あたし…お母さんに酷いこと沢山言っちゃって…
なのに…お母さんあたしのこと怒らなくて…
なのに夜1人の時に隠れて泣いててさ。

こっちは怒ってくれれば楽なのに…
それに今更ごめんなさいって言えなくって…
本当は素直に謝りたいのに…!
それが出来ない自分が苛立たしくて嫌で!
余計に八つ当たりしちゃってて
だから…戻ったら…お母さんに謝りたい…」

そう言うと、清香の蜜柑色の立方体は
蛍のようにふわっと瞬いて、優しく解けていった

そして拓磨は清香に歩み寄ると

「ほらな?誰も笑わなかっただろ?」

と言って、清香に手を差し伸べた
その手をとって清香は微笑みながら

「そうね……ありがと。」



そして残されたのは蒼葉1人だけになった。

「蒼葉は?もうキミだけだけど」

「俺は………自分の好きな事を
好きって言えるようになりたい…かな」

「ふーん、例えば?」

「それはー…その、ゲームとか漫画とか…」

「アニメとか?」

「…そーだけど。悪いかよ。」

「ぜーんぜん?ゲームだってみんな何かしらやってるし
アニメも漫画も何かしら見てるんだからさ
俺は少しジャンルが違うだでどうこう言うのは
違うと思うし俺はそーゆーの嫌いだし」

「裕翔…」

「好きな物好きって言えるって、最高じゃん」

「…だな、好きな物は好き
自分に素直になってやるよ、きっとな」

そうしてとうとう最後の翠色の立方体が消えた