目が覚める
ここはどこだろう。
周りを見渡すと、私の家だった
戻ってこれたという安心感と
オメガバースの世界にはもう行けないんだという後悔が押し寄せる
朝ごはんを食べ制服に着替え学校に向かう
いつもの日常だった
「芹那おはよ」
咲優が話しかけてくる
「おはよ」
なんだかよく分からない幸せがある
戻ってこれたという実感が段々と湧いてきた
「今日は転校生を紹介する、入れ」
転校生??
私が少し違和感を覚え転校生を見ると
見覚えのある男の子が立っていた
「神谷梨夢です。宜しくお願いします。」
リムさんだった。
どうやら記憶はないらしい
席は私の隣。
リムさんにこそっと私の事を覚えてるか聞いてみる
「リムさん、芹那です、覚えてますか?」
リムさんは少し不思議な顔をしてから目を見開いた
「…芹那?」
思い出したらしい
「私リムさんがずっと好きでした…」
胸の内に閉まっていた思いを告げる
どうせ断られるだろうとダメ元で言ったが
リムさんは耳まで真っ赤にして
「…俺も」
と言った
「芹那、俺も大好きだよ」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。