第9話

これやばい?
176
2021/01/31 13:00
芹那side


「芹那」


「リムさん!」


「リムくん...」


リムさんが来てモエさんは喜ぶかと思いきや


怒ってる...?


「モエ、勝手に芹那を殺すな」


リムさんが私の前に出てモエさんにそう告げる


そして私を抱えて飛ぶ


「ぎゃあっ!」


私はびっくりして悲鳴をあげる


するとリムさんは呆れたように


「普通そこはひゃあっとか言えよ」


そんなこと言う暇ありますー?!


モエさんが鬼のような形相でこっちに向かってくる


「リムくんなんで私の事じゃなくて...ねえ構ってよ!」


あれ、モエさん


泣いてる


「リムさん、止まって!」


私が叫ぶとリムさんはいやいや止まった


「何でだよ、モエに殺されるぞ」


「モエさん...泣いてます」


そう言うとリムさんは驚いたように


モエさんの事を見る


「リムくん...お願い...昔みたいに一緒にお話しよ...私はリムくんが...好きなの」


モエさんは泣きながらリムくんに言う


するとモエさんは真っ逆さまに落ちていく


やばい


「リムさんモエさんが...」


「でもあいつは死なないし...あいつを助けたらお前が...」


リムさんが迷っている


私はリムさんの腕の中を抜け出して


近くの家の屋根に飛ぶ


「芹那!」


「リムさん私は大丈夫だから早くモエさんを…」


実はナリセくん、超運動神経いいんだよね


私は悪いけど


だから多分大丈夫


「…わかった」


リムさんはモエさんの方に向かう


お願い間に合って…


タンッ


私は屋根に着地し


道路に飛んで着地した


「おっし…」


私が前を見ると


モエさんを抱えたリムさんがいた


「良かった助けてくれたんですね…」


私がほっとしているとリムさんが


「なんでお前を殺そうとしたやつを…」


とぶつぶつ言ってる


「私はモエさんが根っからの悪い人とは思えません…リムさんが好きなだけです」


私の気持ちを伝えると


リムさんは


「お前はほんとにお人好しだな…」


と笑った


その顔が何だか


カッコよかった


そして私の心臓が


トクンと脈打った


「…?」

プリ小説オーディオドラマ