芹那side
「ええっと…僕…βだし…Ωかαになりたかったなぁって…思って…」
「そーゆーことか」
納得して貰えた…よね?
私が安心していると、ユサが話しかけてきた
「ね、ナリセ…その…僕と、付き合って」
え?
「ユサ…?」
ユサも腐女子…じゃなくて腐男子だったのかな
「あ、ごめ、…僕ナリセが…男として?というか友達としてじゃなくて…恋として?好き?みたいな…急にごめんね…」
えっ…
ユサは攻め固定…
じゃなくて!
えっえっ
嬉しい…
「宜しくお願いします…」
話が噛み合ってない
でも
ユサは太陽みたいな笑顔に戻って
ありがとう
って言ってくれた
モエside
セリナってどこにいるんだろ
リムくんがオメガなんちゃらの世界って言ってたし
゙あの゙世界かな
行っくぞ〜☆
閻魔大王様に言ったら
好きにしろって言われたしね
「待て」
私は誰かに腕を掴まれる
「リムくん、何で?」
腕を掴んだ人物は
リムくんだった
「何をしに行くんだ」
「何って、魂の回収だよ」
「誰の?閻魔大王様に命じられたのか?」
リムくんは誰かを庇うような
私に怒るような口調だった
「誰でもいいでしょ?言ったところでリムくん分からないでしょ」
「閻魔大王様に命じられたのか?」
いつにも増してリムくんがしつこい
セリナを殺そうと思ってることばれてるのかなぁ?
「うーん、命じられたって言うかーこの人殺していいですかーって言ったら好きにしろって言われた」
「芹那じゃないよな?」
…!?
何で
何でそんなにセリナを庇うのよ
そんなに大切なの?
「芹那を殺されたら俺は此処に居られなくなる」
そしたら私が閻魔大王様を説得してまた此処に居られる様にする
最初もそうだったから
「セリナって誰?とりあえず違う人。」
私がボケて言うとリムくんは怒ったような顔で
「芹那を殺せば俺も──」
と言った
そんな事しないでよ
リムくんにとってはセリナはそんなに大事なモノなの?
私が助けるから
私はリムくんとずっと一緒にいる
絶対に
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!