第3話

レポートNo.1:野原 沙奈
22
2019/10/11 10:41

『さっきのあの考え、なんだったんだろう…』
そう思った瞬間


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った
朝の会が始まる



日直が前に出た



『ああ、そういえばもうすぐ当番だっけ』


沙奈がそう思った瞬間

心臓が大きくなった





『え…なに…?』



前に出たくない
みんなに見られたくない
こんな顔見せたらみんながなんて思うか
話したくない






『……………


これは……いつものことだ』







頭の中によぎった言葉

心臓には驚いたがそれには沙奈は平常心だった





ふと時計を見る

『次は保体か』


チャイムが鳴った





ー1時間目、体育




「今日は高跳びのテストをするぞ」


『あ、そっか
今日はテストか』




「あー沙奈〜どうしよー
うち絶対跳べん〜」


優衣がそう言って話しかけてきた


「ゆーちゃんは絶対跳べるって
うちの方が跳べんけー」

未希も近くにやってくる



「沙奈、ゆーちゃん、未希
3人とも頑張って!
私は見学しながら応援してますぞ」


柚子も松葉杖をつきながら話しかけてきた

柚子は陸上部の高飛び専門だが、
数日前に右足を折ってしまい案の定松葉杖をついている




「あーうちも出来るなら柚子と変わりたい!
だってうち高飛び苦手やもん!」

未希が小さく飛び跳ねながら言う



「だったら変わります?
足の骨おっちゃろうか?」



「いやっ…やっぱりいいや!
私はこの足で充分です!」



笑い声があがる
沙奈は美咲とは違うクラスなためいつもはこの4人で行動している






「………」


だが


沙奈はあまりこの4人が好きではなかった






『………ちゃんと…笑えてたかな』






また沙奈の周りに嫌な空気が積もった

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